沖縄には沖縄そばを筆頭にタコライスやじゅーしーなど、沖縄ならではのメニューがいろいろあります。
沖縄に移住して10年以上過ごした筆者が、移住当初に驚いたことの1つが「沖縄食堂の料理」です。ボリュームが多いというのもありましたが、「あれ? 思っていたのと何か違う!」ということが時々ありました。
今回はそんな沖縄食堂ならではの「名前は同じでも中身が違う」ギャップフードを3つご紹介します。
1. 「みそ汁」は立派なメインディッシュ
県外では「定食についてくるもの」「お椀に入った脇役」という印象がありそうなみそ汁ですが、沖縄では堂々としたメインディッシュとして君臨します。 注文すると、どんぶりサイズでアツアツのみそ汁とお茶碗に入ったご飯が登場します。具材も豊富で、島豆腐、野菜、こんにゃく、豚肉(または沖縄でおなじみのポークランチョンミート)、そして卵まで入っています。他県でいうと、豚汁専門店の豚汁に近いでしょうか? お肉も野菜も卵も入っていて、白米もついてくるのでバランス的には申し分ないメニューだと思います。
卵の入れ方にはお店の個性があります。みそ汁を丼によそったあとに生卵を落とすお店もあれば、みそ汁を煮ながら卵を入れて半熟状態にするお店もあります。溶き卵的に食べてもいいし、お茶碗に移して卵かけご飯的に食べるのもありです。 「ちょっとみそ汁も飲みたいな」と思って他のメニューと一緒に頼むと、そのボリュームに驚くこと間違いなし。実質的に2人前の食事になってしまうので要注意です。ちなみに丼ものや定食にはみそ汁ではなく、ミニ沖縄そばがついてくることが多いです。
2. 「チャンポン」は麺じゃなくてご飯もの
「チャンポン」と聞いて、長崎ちゃんぽんのような麺料理を想像する人は多いはず。でも沖縄のチャンポンは、ご飯ものなんです。 平らなお皿に盛られたご飯の上に、肉と野菜を炒めたものがどーんとのっています。具材はニンジン、玉ねぎ、キャベツなどの野菜に、コンビーフやポテト入りのコンビーフハッシュ、時にはベーコンといった加工肉。これを炒めて最後に卵でとじた、どこか懐かしい家庭料理のような一品です。 沖縄の食堂で「チャンポン」は、ほぼ100%このご飯もののことを指します。麺を期待してご飯ものが出てくると結構ショックだと思いますので、ご注意を! レシピ的に脂分が多いので、こってり系の食事がしたいときにオススメです。
3.「カツ丼」にはいろいろな野菜が入っている
他県では、トンカツと玉ねぎを卵でとじたカツ丼が一般的ですが、沖縄のカツ丼は玉ねぎだけではなく、いろいろな野菜が一緒にとじられているんです。 玉ねぎはもちろん、ニンジンやキャベツ、青菜(その時々の島野菜のことが多い)、もやしなどが一緒にとじられていて、彩りのある丼になっています。そしてトンカツも沖縄風です。県外のトンカツは厚切りのロース肉を使うことが多いと思いますが、沖縄は同じロースでも肩ロースを使い、叩いて薄くしたものを使うことがあります。 サクッとした食感と肉らしい味わいが感じられるスナック的なトンカツで、これがカツ丼に入っていると、「サクッ、ジュワッ、うま~」という流れを楽しむことができます。
個人的には野菜も食べられるし、沖縄のカツ丼はかなり気に入っています。
沖縄食堂の独特の雰囲気
立地にもよりますが沖縄の食堂は多くの場合、観光客よりも地元の人たちが集まっている印象です。働いている方も地元の女性のことが多く、お店の方とお客さんとの距離感が近くて、少しゆるい雰囲気なのも沖縄食堂の特徴かもしれません。同じ名前のメニューでも他県とは違う沖縄食堂のメニュー。最初は驚くかもしれませんが、これも沖縄文化の一部です。ぜひ沖縄を訪れた際は食堂で沖縄ならではのメニューを食べてみてください。思わぬお気に入りが見つかるかもしれません。