
株式投資で気になるシグナル
「株をやっています。ヒンデンブルグオーメンって何?」
ヒンデンブルグオーメンは、株式市場が急落する前兆とされるテクニカル指標です。1937年にドイツの飛行船「ヒンデンブルグ号」が爆発した事故が由来で、縁起の悪いシグナルとして名付けられました。
ヒンデンブルグオーメンの定義は諸説ありますが、一説では(1)ニューヨーク証券取引所での52週高値更新銘柄と52週安値更新銘柄の数がともにその日の値上がり・値下がり銘柄合計数の2.8%以上、(2)NYSEインデックスの値が50営業日前を上回っている、(3)マクラレン・オシレーターの値がマイナス、(4)52週高値更新銘柄数が52週安値更新銘柄数の2倍を超えない、という4条件を満たすとシグナルが点灯します。
1度点灯しただけではダマシが多い一方、短期間に何度も繰り返し点灯すると精度が高まると言われています。
筆者の見解
ヒンデンブルグオーメンがうまくいくメカニズムはよく分かっていませんが、「不気味さ」は感覚的には理解できます。例えば、ヒンデンブルグオーメンの点灯条件の1つに「ニューヨーク証券取引所での52週高値更新銘柄と52週安値更新銘柄の数がともにその日の値上がり・値下がり銘柄合計数の2.8%以上」というものがあります。
これはつまり、「絶好調な銘柄がたくさんあるけれど、絶不調な銘柄もたくさんある」ということで、株式市場が異様なほど二極化していることを表します。
とはいえ、筆者としても「なんとなく気持ちが悪い」という感覚程度のものなので、「だから何だ」と言われたらそれまでです。
筆者も何度も調べたことのある指標なのですが、出所によって「的中率は2~3割に過ぎない」とか「7~8割当たった」と主張がバラバラです。
そもそもの話として、ヒンデンブルグオーメンにはファンダメンタルズ(経済指標)やバリュエーションが加味されていません。つまり、企業価値と無関係です。それにメカニズムが曖昧で、主張もバラバラ。これでは信ぴょう性が高い指標とは言えません。
ですから、ヒンデンブルグオーメンが点灯したときには、「注意喚起」くらいのものと思う一方で、「それだけで株を売るような判断材料ではない」と捉えています。
ヒンデンブルグオーメンが点灯したときには、例えばバリュエーションが過熱気味でバブルっぽくないか、ファンダメンタルズが悪化していて景気減速が見込まれていたりするのではないかを点検するとよいでしょう。
もし問題があるようなら、本腰を入れて今後の投資の対策を練るべきタイミングだと思います。