収入保障保険は、自分に万が一のことがあったときに、遺族の生活費などをカバーする保険。一方、所得補償保険は、病気やケガで働けなくなった際の収入減を補う保険です。今回は、それぞれの特徴や向いている人について解説します。
収入保障保険ってどんな特徴があるの?
収入保障保険は、生命保険の一種で、一般的には被保険者が万が一亡くなった際に保険金が毎月「年金形式」で支払われるタイプの保険です。加入直後が保険金が最も多く、時間がたつほど受け取れる総額は減少します。これは、子どもが成長するにつれて必要な生活費が減ることを考慮した設計になっているためです。
保険期間は20年・30年、または60歳・65歳までなど、必要な期間を自由に設定できます。また、満了直前の死亡にも対応できるよう、1年・2年・5年・10年といった保証期間が設けられるのが一般的です。
さらに、収入保障保険は掛け捨て型で、保障期間中に解約しても返戻金がありません。この保険金が減少する仕組みや保険料の割安さから、死亡保障の定番商品として多くの生命保険会社で取り扱われています。
●収入保障保険が向いている人
収入保障保険が向いているのは以下の人々です。
①子どもがいる家庭
子どもが小さいうちは、教育費や生活費がかかるため、万が一の際に残された家族の生活を支えるための保障が必要です。収入保障保険なら、子どもが独立するまでの生活費をカバーできます。
②住宅ローンを組んでいる人
団体信用生命保険(団信)の代わりとして住宅ローンの返済に活用することも可能です。住宅ローン返済中に万が一のことがあった場合、家族が住む家を守りながら、生活費の保障も確保できるということです。
収入保障保険は、保険料が割安ということもあり、一定期間だけ大きな保障が必要な人に適しています。
所得補償保険ってどんな特徴があるの?
所得補償保険は、損害保険の一種で、病気やケガで働けなくなったとき(就業不能時)の収入減を補う保険です。「就業不能」とは、入院している、または医師の指示で自宅療養している状態を指し、その判定は医師の診断によって行われます。保険金を受け取るには、診断書などの提出が必要になる場合があります。
実際に給付金を受け取れるのは、働けなくなった時点から免責期間(4日・7日など)が経過した後で、毎月一定額を最長2年間にわたり受け取ることが可能です。給付金額は、働けなくなる前の収入や所得の約6~7割に設定されます。
また、所得補償保険は掛け捨て型で、一般的に1年ごとの契約となります。補償範囲は商品によって異なり、入院中のみ補償するプランや、入院・通院・在宅療養全てを対象とするプランなど、さまざまな選択肢があります。自分の働き方やライフスタイルに合った保障を選ぶことが大切です。
●所得補償保険が向いている人
所得補償保険は、特に自営業やフリーランスの方におすすめです。
会社員の場合、病気やケガで働けなくなったときは、健康保険から傷病手当金が支給されたり、厚生年金から障害厚生年金が受け取れたりするなど給付があるため、ある程度の収入を補えます。しかし、自営業やフリーランスの方には、そのような公的給付がないため、病気やケガで働けなくなった場合の収入減に対して、自分自身で備える必要があります。所得補償保険に加入しておくことで、働けなくなったときの収入減を補う給付金を受け取れ、生活の安定につながります。
収入保障、所得補償それぞれの違いを理解して、自分に合った保険を選びましょう。