電車の中で目撃してしまったこと
ママ友のダンナさんを見かけて
「子どもが同級生で、特に仲よくしているママ友がいるんです。ダンナさんもいい人だし、背も高くてなかなかのイケメン。うちの夫はだんだん太ってきているので、少しはあのダンナさんを見習ってよと言ったこともあります」ママ友のダンナさんは、学歴も高く一流企業に勤めていることもあって、知っている人はみんなうらやましがるような人なのだと、ミエコさん（43歳）は言う。
「だけど私、つい先日、電車の中でそのダンナさんを見かけたんです。いつもは仕事で帰宅が遅いらしいんですが、その日は夜7時半くらいに乗っていました。私はたまたま残業で、夫が早く帰って子どもたちの面倒を見ていた。うちのほうの電車はいつも混んでいるんですが、ふっと見たら少し離れたところの席に彼が座っていたんです」
とはいえ、そこまで行けるほど空いてはいない。ミエコさんは見るともなしに、ママ友の夫に時々目をやっていた。
電車内での行動に「息が止まるほど」驚く
「仕事関係の資料かなんかを一生懸命読んでいましたが、突然、左手の中指を鼻に突っ込んでぐりぐりとほじりだしたんですよ。目を疑いました。さんざんぐりぐりやったあと、中指をじっと見つめ、鼻くそを丸めて下に落としていました。私、息が止まるほどびっくりしちゃって」最寄り駅に着くまでの15分ほど、彼は何度もそれを繰り返していたという。隣に座っていた若い女性がすぐに立ち上がって場所を移動するのを、ミエコさんはしっかり見届けた。隣であそこまで鼻をほじって、出たものをじっと見ていられたらたまらないだろうとミエコさんも共感した。
「しまいにはその資料に指をなすりつけていましたからね。顔を合わせたくなかったから、最寄り駅についた時、私はわざとゆっくり別のドアから降りました。車内でいつもやっているんでしょうけど、うーん……」
ミエコさんは言葉が続かなかった。帰宅して夫にその話をしたら、「まあ、そういう人はいるよね」と気の毒そうにつぶやいたという。
「なくて七癖というからねって夫が言うんですが、清潔感の問題ですよね。ママ友はまさか自分の夫がそんなことしているなんて思ってないでしょう。目の前で家族がそんなことをしていたら注意くらいするはずだから」
見ていたミエコさんは、本当に気分が悪くなったと話す。確かにこういうことはママ友に注進するわけにもいかない。見なかったことにするしかないとミエコさんは苦笑した。
夫のハンカチが……
驚きの習慣が発覚し、夫を見る目が変わってしまった
「夫がインフルエンザにかかって寝込んだんです。夫は毎日、お弁当を持っていくのですが、そういえば会社から帰って寝込んでしまった日の弁当箱を洗ってなかったと思い出し、夫のバッグを開けたんですよ。そうしたら……」
レイカさんは顔を思い切りしかめた。弁当箱の上にハンカチが2枚ほど乗っていた。なんとそれが、ガビガビに固まっていたのだという。
「たぶん、鼻をかんだのだと思います。夫は少し花粉症があるので、その時期は家でも鼻をかんでいますが、ティッシュを使っています。そのときはインフルで鼻水が出たり詰まったりしていたんでしょう。でもハンカチで鼻をかみます？ ティッシュくらい持ってないのかと思ってバッグを見たら、ポケットティッシュがちゃんとあるんですよ」
レイカさんはそのハンカチ2枚を思わず捨ててしまった。回復した夫にその話をしたら、「大事にしていたハンカチだったのに」と肩を落としたという。大事にしているハンカチで鼻なんてかむものなのかとレイカさんは言った。
夫の話に思わずオエッ
「すると夫、以前から外ではハンカチで鼻をかんでいたんですって。それを洗面所で軽く水洗いして、洗濯機に放り込んでいた、と。私、それを聞いてオエッとえずいてしまいました。そんなハンカチと私や子どもたちの服を一緒に洗っていたと考えると……。洗っちゃうんだから大丈夫でしょと夫は軽く言いましたが、私の衛生観念からすると絶対に無理。今後はハンカチでかんだら自分で最後まで洗って、洗面所は使わないでと言ったけど、バスルームで洗えばいいのと聞かれて、それも嫌だと思い直しました。鼻水でまみれたハンカチがお弁当箱の上にあるのも気持ちが悪い。どうしてそういう生理的なところで気を遣わないのか不思議です」夫はそれほど大ごとだとは思っていないようだが、この一件、レイカさんにとっては非常に重要な出来事だった。
「ちょっと夫を見る目が変わったというか。もう少し清潔感のある人だと思っていたんですよ。あれ以降、夫のすべてが汚く見えてしまって困っています」
こういう感覚は個人差が大きいが、多くの女性が共感するのではないだろうか。
