人間関係

世間の「専業主婦なんだから」攻撃にうんざり。「働かない女性に存在価値はないのでしょうか」

「専業主婦」が少なくなってきている現在。外で働くことが苦手で、家の中を切り盛りしていくのが得意だという女性だって存在する。しかし、周りからの目線は厳しく、保護者会では役員をおしつけられ、なんで働かないのかと問い詰められたりもする。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

自分の得意なことを極めると、「専業主婦」になる人だっている

自分の得意なことを極めると、「専業主婦」になる人だっている

かつて「一億総中流」と言われた時代には、夫は外で働き、妻は家事と子育てと、善し悪しは別として分業が成立していた。ところがこの30年で一般国民の多くは「生活が苦しい」と感じるようになった。働きたい女性も、働かなければならない女性も増えたのだ。

そうなると、かつてごく普通の生き方だった「専業主婦」が珍しい存在になっていく。「なぜか肩身が狭い」という声も聞く。 

責められているような気がする

「私は専業主婦なんです。就職してはみたものの、バリバリ働くタイプではないし、仕事が好きではなかった。うちは母が働いていたから、長女である私が妹や弟の面倒を見たりおやつを用意したりしていたんです。小学校高学年になると夕食の支度も私がしていました。今日は何を作ろうかと妹と弟の笑顔を思い浮かべるのが好きでした」

懐かしそうにそう言うのは、ミズキさん(40歳)だ。父は「娘に食事の用意をさせるなんて」と怒たが、私は働いている母が好きだったから、父に「私がやりたくてやってるの」と抗議したこともあった。

「母は家政婦さんを頼んでもいいんだけどと、よく言っていましたが、私は自分がやると言い張った。家事が好きなんです。あちこち掃除していると、どんどんきれいになっていくのが目に見えて分かる。仕事をする人が、どんどん仕事を片づけていって気持ちいいのと同じ感覚だと思います」

「専業主婦」を条件にお見合い結婚

それにさまざまな工夫もできる。食事の献立はもとより、春になったらカーテンを替えようとかリビングの模様替えをしようとか、自分の好きなようにアレンジすることができるのだ。

「私の結婚の条件は、専業主婦でいさせてくれること。同世代ではなかなかそうはいかず、結局、親戚の紹介でお見合いした10歳年上の人と、26歳のときに結婚しました」

娘と息子に恵まれ、夫は家が大好きで、ミズキさんの料理を食べたくて「残業はしたくない」と言ってくれていた。

「娘が今年から中学生になったんですが、ほとんどのお母さんが働いているし、そのタイミングでパートを始める人も多い。なんだか周りを見渡すと、専業主婦が本当に少ないんです。

うちは決して高級住宅街ではないし、夫も年上だけど驚くような収入があるわけでもない。同世代の夫より少し多いという程度。私は裁縫も好きだからカーテンなんかも自分で縫うし、子どもたちが小さい頃は洋服も、安い布を買って全部作っていました」

仕事をしなくても余裕で暮らしていけるというわけではなく、専業主婦でいたいから工夫して楽しく生活しているだけだと彼女は言う。

「でも保護者会などのときは役員を押しつけられるし、学校関係では必ず『専業主婦なんだからできるでしょ』と言われる。働いていないことを責められているような気がします」

>「暇でしょう?」と不思議そうに聞かれた
 
  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます