「#OneMoreChoice プロジェクト『ちょっと生理いま邪魔しないでよプリ』ポップアップイベント 開催中止のお知らせとお詫び」(ツムラ公式Webサイト)
「企画に対するご意見」で中止の判断
同社は公式Webサイトの中で、「生理痛やPMSに対するご自身の経験を踏まえたお声や、企画に対するご意見を頂戴し、協議の上、中止する判断に至りました」と報告している。生理痛・PMS(月経前症候群)などの症状によるつらさを可視化したキャラクターがモーション付きで写りこむプリ機(プリントシール機)の体験型ポップアップイベントで、生理痛の可視化という興味深い観点でのイベントだっただけに、いったいどうして中止になったのか、SNSではさまざまな声が寄せられている。
生理に関しては、女性同士の間でも分かり合えないところが多々ある。まして男性にはもっと分からない。それを可視化し、男女問わず話し合っていける機会を失ったのは残念だ。
私は……生理による体調変化にビクビクしながら生きてきた
「私は生理痛がひどいんです。時には1日寝込むほど。婦人科でピルを処方してもらったこともあるんですが、体に合わなかったみたいで服用をやめました。頭痛、めまい、腹痛はもちろん、食欲もなくなるし起き上がれなくなることも。いつもそうではないだけに、今月はどうなるんだろうとビクビクしながら生きてきました」マサヨさん(28歳)はそう言う。社会人として、時に仕事に支障を来すこともあるため、毎回、痛み止めなどの薬で対処するしかないという。特に婦人科系の病気にはかかっていないのは分かっているから、余計に根本的治療がない。
「昔から母親に『生理は病気じゃないんだから、つらそうな顔をしてはいけない。他人に、生理中だと分かられてしまうのは女性として恥ずかしいこと』としつけられたんですよ。だから女友達に言うのさえはばかられて、いつも平気なふりをしていました」
「生理は人に悟られてはいけない」ものと教わった
だが、今の会社では女性社員が多いこともあり、生理の話はごく普通の日常会話となっている。中には「もうダメだ、今日はつらい。誰かこの仕事代わって。ランチ奢(おご)るから」とあっけらかんと頼む女性もいるという。「あれ、言っていいんだと目からうろこでしたね。私もつらいのと言ったら、いい病院紹介するよと言ってくれる人もいて。私だけじゃないんだと分かったことで、少し気が楽になった。紹介してもらった病院でも漢方などを処方してもらって、最近は前ほどひどくはなくなりました」
それでも中には「生理ごときで……」という目で見る同性がいないわけではないと、彼女は社内事情を語る。出世した女性役員から「生理痛なんてことを言ってたら仕事できないでしょ」と叱責(しっせき)された先輩もいる。いまだにそういう思考回路を持つ人がいるのも事実なのだ。
>「PMSによる八つ当たり」とさえ思う激しさ