結婚後、妻のとんでもない一面を知った男性
「結婚したのが遅かったから、すぐに子どもができてうれしかった。妻のことは信頼していました。仕事では彼女の冷静さにいつも助けられていたから」暗い表情でそう話してくれたのは、ジュンさん(47歳)だ。5年前に4歳年下の女性と結婚、すぐに妻の妊娠がわかり、産まれた息子は4歳になった。
妻はジュンさんと仕事で取り引きがあった会社に勤めていた。知り合って数年たっていたが、帰宅時にばったり駅で会ったことがあり、同じ沿線に住んでいると知った。そこから個人的な付き合いが始まって1年、結婚を決めたのだった。
「彼女はしっかりしていて、いつもにこやかに仕事を進めてくれました。結婚するとき、僕の同僚女性が『私もあの人と仕事をしたことがあるんだけど、すごく意地悪されたのよ。大丈夫?』と言われたんです。でもそれはおそらくふたりの相性が悪かっただけだよと僕は言いました。僕には本当にいい人に見えたから」
近隣から「息子さんが泣いている」と心配される
ただ、共働きでやっていこうという彼のもくろみは崩れた。彼女は『やっぱり子どもがかわいそうだから』と退職したのだ。ほしいと思っていた子どもに恵まれたのだから、そういう心境の変化もあるだろうと彼は気にもとめなかった。「だけど子どもと2人で向き合っているうちに、彼女の心のバランスが崩れていったんでしょうね。ずっと仕事をしてきたのに、急に家事育児だけになって窮屈だったのかもしれない。それならそうと言ってくれればよかったんですが、僕の知らないところで彼女の気持ちがねじれていったみたいで」
彼が見ているところでは、妻はいつも息子に優しかった。抱きしめてばかりいるので、甘やかしすぎなのではないかと言ってみたこともある。だが、それはカモフラージュにすぎなかった。
「息子が1歳になったころ、近所の奥さんにばったり会ったら『お子さん、いつも泣いてらっしゃるけど大丈夫ですか』と言われたんですよ。僕は仕事が忙しくて、なかなか家庭をきちんと見ることができなかった。息子に何かあったのかと思って、妻に尋ねると『いつも泣いてるなんて大げさよ。あの奥さん、私たちに何か恨みでもあるのかしら』と、本当にわからないといった様子で首を傾げていた」
それでも、そのころから彼は少しだけ妻の動静を気にかけるようになった。
>あろうことか、息子へとんでもない仕打ちを……