お金が貯まる人と貯まらない人の違い
その1:金融知識の有無からくる「モチベーション」の違い
M. Rooij氏らが2012年に発表した研究『Financial Literacy , Retirement Planning , and Household Wealth』によると、金融知識がある人ほど退職後の生活を考えて行動し、そのおかげで純資産にもプラスの影響を与えることが分かりました。筆者は大学1年生の頃にロバート・キヨサキ氏の『金持ち父さん 貧乏父さん』という本に出会いました。
同書には「資産はポケットにお金を入れるもの、負債はポケットからお金を奪うもの」といった旨が書かれています。この一文を読んで、自分のポケットにお金を入れてくれる資産を、若いうちから積み上げていくことが大切なのだと理解しました。
同書を読んだことのある読者がどれほどいるか分かりませんが、少なくとも同書に出会っていなければ、僕は18歳の遊びたいざかりに「たくさん働いて貯金しよう」などとは思わなかったです。
不動産や株式に投資することで、家賃収入や配当収入を得られること。地道に貯金を続けることで、金融所得が複利で増えていき、気づけば「本業」を超える、あるいは「頼れる副収入」にまで育つ可能性があること。こういう考え方が身についたのは、同書のおかげでした。
金融知識と計画、モチベーションがあれば、自然とお金は貯まっていくものですが、スタートラインに立てないと、計画も立たないし、モチベーションも湧きません。
筆者個人的にはお金を貯めたいなら『金持ち父さん 貧乏父さん』のような、まずは分かりやすく、財形貯蓄のマインドを培える本を1冊くらい読んでみるのが良いと思います。
その2:同調圧力や誘惑に屈しない工夫を
2つ目の違いは「交友関係と同調圧力」です。Timothy Judge氏らが2012年に発表した研究『Do Nice Guys--and Gals--Really Finish Last? The Joint Effects of Sex and Agreeableness on Income』によると、協調性が低い人ほど収入が高い傾向が見られたそうです。
筆者の身近には「なんでも周りに合わせてしまう良い人」がいます。
彼は温厚で、超がつくほど「いいヤツ」なのですが、それがかえってアダとなり搾取され、低収入な仕事についてしまったり、周りに合わせて浪費してしまったりして、ほとんど貯金がありません。こういう「いいヤツ」は協調性を低くするなどして自分を守るのも一つの手ということです。
「人の良さ」は長所に他なりません。しかし、付き合う会社や仲間によっては搾取されてしまう恐れがあるため、「良い人に囲まれて過ごす」なりして、自分の身を守る必要がありそうです。
例えば筆者の場合、「投資や貯金に興味のある人」で周りが固まっているため、無駄遣いの誘惑はほとんどありません。むしろ「面白い投資先見つけた!」なんて嬉しい報告をくれる人もいます。
自分の足を引っ張る人ではなく、自分のことを高みに引っ張り上げてくれたり、ともに切磋琢磨しあえたりする人に囲まれたいですね。
まとめ
改めてまとめると「金融知識を学び、計画を立て、自分をモチベートする」ことと、「周りに足を引っ張られないように気をつけつつ、むしろ高めあえる関係を大事にする」ことが、お金を貯めるうえで特に重要だと思います。金融を勉強することもそうですが、特に「自分が過ごす環境」は軽視してしまいそうです。思っている以上に僕らは周りの影響を受けやすいですから、浪費癖の強い人と買い物に出掛けるなど、そういう遊びの頻度を減らしたいところです。
それと並行して、お金を節約しながら、それでも豊かに暮らしている人もいます。身近にそんな人を見つけたら、彼らがどんな工夫をしているかを見て学び、自分の暮らしにも積極的に取り入れたいですね。