Q. IQ150以上は「天才」? 簡易テストでもある程度正確に測れるものですか?
「IQ150」は天才? IQテストの数値でわかることは?
Q. 「高校のクラスに、ネットでIQ診断で『IQ150』の結果を出した友人がいます。IQ150以上はものすごい『天才』に分類されると思うのですが、正直なところ友人は学年でずば抜けて目立っているわけでもありません。そもそもIQは、ネットのテストでもある程度は正確に測れるものなのでしょうか?」
A. 数値の意味はありません。あくまでゲームとして楽しむのがよいでしょう
「IQ」とは「Intelligence Quotient」の略で、日本語では「知能指数」ともいわれます。100が平均で、約95%の人が70~130の間におさまるような分布の数字で与えられます。この目安を知ると、「IQ150」はかなり高いですね。一方で、IQを測るためには「知能検査」を行う必要があります。知能検査にはいろいろなタイプのものが考案されており、多くのものが「記憶力」「計算力」「関係把握力」「言語理解力」「空間認知力」「推理力」「洞察力」といった知的能力を調べる内容で構成されています。
それでは、「IQ150を超えていれば天才」と言えるのでしょうか? 実は知能検査で高い数値の結果が出ても、あまり意味はありません。ましてや、ネットの簡易テストで正確に測れるものではありません。
第一に、知能検査のテストは出題パターンが決まっています。ごく平均的な人でも何度か練習を繰り返せば高得点がとれるようになるでしょう。もともと持ち合わせている「素」の能力を表せるとは限らないのです。
ネット上にあふれている簡易的な「知能テスト」「IQ診断」なども、何度も繰り返せば当然高いスコアを出せるようになります。これらは単なる「ゲーム」だと考えるべきでしょう。
第二に、本来のIQは「同年齢集団内での相対的な位置」を表すもので、年齢によってレベルがまったく変わります。同年齢の集団の中で発達の早い子どもは、テストで驚異的な高スコアを出すことがあります。しかしそれはその時点での発達が早いだけかもしれず、その子が大人になった時に、同じ年齢集団で突出した能力を発揮するとは限りません。
就学前の子どもを対象に知能検査が行われることがあるのは、小学校入学後にスムーズに学習できそうかを、あらかじめ知ることが目的です。発達に遅れが見られる子に対しては、適切な学習指導や支援を受けられるようにする役割もあります。
ネットなどで簡易診断ができるIQテストは、あくまでゲームとして楽しみましょう。いい加減な検査結果を真に受ける必要はありません。