新NISAで損失が出たらどうする?
先日、読者の方よりこんな相談をいただきました。
「国がすすめるから新NISAを始めたのに全くもうけられないどころか損している。何とかしてほしい」(40代)
損をしてつらい気持ち、心中お察しします。筆者もいま株で損をしているのですが、投資は自己責任なので「何とかしてほしい」と言いたい気持ちがあっても、「でも結局は株を買った自分の責任」なので、やり場がないのがつらいですよね。
投資の成功にパターンはありませんが、失敗にはパターンがあります。失敗パターンを避けるほど成功しやすくなります。そこで本記事では、投資でよくある失敗パターンと、失敗してしまった場合、次にどうつなげればよいかについて、筆者の経験談を交えつつまとめます。
失敗パターン1:見切り発車
筆者の経験上、最も危険な失敗が、たいして理解もせず(理解したつもりになっただけで)見切り発車で株を買うことです。筆者のもとにも、たまに「◯◯の株を買ったのですが、どうすればよいですか?」と相談が来ることがあります。こういう相談をいただくと、「どうすればよいかも分からないのに株を買ったのか、危ないなあ」と心配になります。
筆者も「誰かが勧めているから」などの理由で株を買ったことがあるのですが、投資先がどんな会社で、誰に何を売っていて、どういう仕組みで動いていて、競争環境がどうで、これからどれくらいもうかりそうで、いまの株価的には利回りがどれくらいで、業績が悪くなるとしたらこういうリスクがあって……といったことを考えなければなりません。こういう過程をすっ飛ばして「分からないけど買う」のは大変危険ですから、十分に調査してから株を買うようにすべきでしょう。
失敗パターン2:高値づかみ
次にありがちなのが、投資先を過大評価して高値づかみすることです。僕ら投資家は好きな会社を過大評価し、割にあわない高値で買うことがよくあるため注意が必要です。筆者もよく投資先を過大評価してしまうため、この原稿を書きながら身の引き締まる思いです。
見返りを求めて投資をする以上、「どうやって元を取るか?」「満足できるリターンは得られそうか?」を考えてから投資するのが基本です。きちんとそろばんをはじいてから株を買うようにしましょう。
失敗パターン3:裏切られる
他にもよくあるのが、投資先の経営陣に裏切られるケースです。例えば、筆者の場合は投資先がとても良い決算を出したのですが、ほとんど配当を出してもらえず、かといって有効利用して成長するわけでもなく、「株主としての権利を軽視」されて落胆したことがありました。
せめて株価が上がるなら文句はないのですが、僕と同じように落胆した投資家も多く、株価も上がらず、配当ももらえず、業績も伸びず、「一体ここの社長は何がしたいんだ!」と憤りを隠せませんでした。
それでも投資は「自己責任」ですから、「こんなヤツを信じた自分が悪かった」と考えるほかありません。信じる人を間違えることでも手痛い失敗につながりますから、投資先を経営するのが、どんな人なのかを知るのはとても大切です。
裏切られたときは悔しいですが、「どうすれば裏切られる前に気づけたか?」を考えて、次からは似た兆候がある所には投資しないようにするとよいでしょう。
失敗パターン4:引くに引けない
最後が「損をしたから引くに引けない」という泥沼にハマるケースです。理解していないのに株を買う、過大評価して高値をつかむ、経営陣に裏切られる。投資をしていれば誰もがこういった失敗を経験するものですが、そこで「引くに引けなくなって、損を垂れ流し続ける」ようになると大変です。
「ずっと含み損に耐えてきたから、いまさら手放せない」と思考停止してしまうのは投資家でも「あるある」です。
穴の開いたバケツに水はたまらないように、ギャンブルにお金を注ぎ込んだり、価値のない株を高値で買ったり、裏切り者に投資したりしても、お金が増えるわけがありません。
失敗したらどこから見切りをつけて撤退し、やり直す必要があります。だから、株を買うときには、「いつ買うか」以上に「どんなことが起きたら売るか」という出口戦略を考えておくのが大切です。
まとめ
見切り発車、高値づかみ、裏切られる、引くに引けない……。このように投資で損をするときにはお決まりのパターンがあります。他にもパターンはあるのですが、大事なのはこういう失敗を何度も経験しながら「同じ失敗を繰り返さない」ように考え続けることです。失敗パターンを避けるほど成功しやすくなりますから、いまの損にめげず、むしろ「ただでは転ばんぞ」と何度でも起き上がり、不屈の精神で学び続けていれば、おのずと新NISAでも利益が出せるようになると思います。