Q. 女性に多いがんは? 特に注意すべきなのは乳がんと子宮がんでしょうか
乳がんや子宮頸がん以外にもある? 女性が注意すべきがん
Q. 「親戚の女性で、乳がんになった人と、子宮頸がんになった人がいます。がんには性差があると聞きましたが、女性として特に注意した方がいいのは、やはり女性ならではの臓器にも関わる乳がんと子宮がんの2つなのでしょうか? がんは自分も他人事ではないと思っているので、何か予防に役立つアドバイスがありましたら、教えてください」
A. 特に多いがんは5つ。効果的な予防法と早期発見のポイントを押さえましょう
男女ともにがんに罹患する人はとても多く、日本における死因のトップはがんが占めています。また、意外に思われるかもしれませんが、女性に多いがんは乳がんと子宮がんの2つではありません。たしかに乳がんにかかる方は非常に多いですが、女性の場合、がん全体の70%以上は、次の5つです。
1位 乳がん
2位 大腸がん(直腸がん・結腸がんを含む)
3位 肺がん
4位 胃がん
5位 子宮がん
(国立がん研究センターが発表している、2020年に新たに診断されたがん統計による)
がんはあらゆる臓器にできる可能性がありますが、「がん予防」を考える場合、まずは特に多いこれらの5つのがんを念頭におき、予防と早期発見に向けた対策を考えるのがいいでしょう。
医学的に効果がある予防法、医師としておすすめしたいがんの早期発見法は、次の5つです。
1. 喫煙習慣がある場合は、禁煙する
2. 慢性的な便通異常や月経異常がある場合、病院を受診する
3. ダイエットをしていないのに体重が減っている場合も、病院を受診する
4. 乳房の自己触診を行う
5. がん検診を活用する
がん検診においては、受けっぱなしにするのではなく、もし何らかの検査結果の異常を指摘された場合には、放置しないことも大切です。結果の指示に従い、必ず医師の診察を受けるようにしましょう。検査結果で異状が指摘されても、「何も自覚症状がないから大丈夫だと思う」「忙しいので落ち着いてから行こう」と考え、再検査を受けずに、時間が経過してしまうケースは珍しくありません。
このほかにも、自分の体のことで不安なことや、何らかの自覚症状がある場合は、かかりつけ医に相談することが大切です。
さらに詳しく知りたい方は、「女性が気をつけるべき5つのがん…女性のがんの70%を占める5部位」をご覧ください。
■参考
・がんの統計2023(PDF)(公益財団法人 がん研究振興財団)