Q:夫が死亡しました。ずっと年収800万円くらいだったのですが、前年だけ年収850万円を超えてしまい、遺族厚生年金を請求できないと言われてしまいました
「夫が死亡しました。私は、今までずっと年収800万円くらいだったのですが、夫が死亡する前年だけ収入が多くなり、年収が850万円超えてしまいました。遺族厚生年金を請求できないと言われてしまいました。納得いきません」(A子さん)
夫が死亡する前年だけ年収が高かったのです(画像出典:PIXTA)
A:一時的に収入が高かった場合や、近い将来に年収850万円未満になるようであれば、遺族厚生年金を受給できる場合があります
遺族年金とは、亡くなった人に生計を維持されていた遺族がもらえる年金のことです。18歳最初の年度末(1、2級の障害がある場合は20歳)までの子どもを持つ配偶者や子どもが受給する「遺族基礎年金」と、在職中に会社員が死亡したときなどに配偶者などが受給する「遺族厚生年金」があります。「生計を維持されている配偶者」として認められるためには、生計を維持されている配偶者が亡くなった人と同居(または、別居の場合でも仕送りされている)していること、かつ前年の年収が850万円未満(または所得が655万5000円未満)であるという要件を満たす必要があります。
「A子」さんは夫が亡くなる前年に、たまたま年収が高く850万円を超えてしまったため遺族厚生年金を請求できない、と言われたとのこと。一時的に収入が高かった場合や、近い将来に年収850万円未満になるようであれば、遺族厚生年金を受給できる場合があります。
昨年のみ「A子」さんの年収が高かったということを示す書類があれば、遺族厚生年金を受給できる可能性がありますので、諦めずに遺族厚生年金を請求してみましょう。
具体的には戸籍謄本その他の遺族厚生年金を請求する際に必要な書類にプラスして「会社からの業務命令書」や「今後5年以内に収入が下がることが分かる就業規則」などの書類を提出します。マイナンバーと基礎年金番号がひも付いていれば(ねんきんネット、年金事務所で確認できます)、夫死亡時の住民票や過去5年間の「A子」さんの所得証明を年金事務所で調べてもらえますので、前年以前の年収が850万円以下であることを証明できるでしょう。
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