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宅配ドライバーに聞いた苦労と思い…日本人が好きな時間帯「土曜日午前着」に頭を悩ませている深いワケ(2ページ目)

頼んだ荷物を時間指定で家の前に届けてくれる「宅配ドライバー」。猛暑日でもゲリラ豪雨の中でも配送してくれる彼らはどんな苦労や思いを抱えているのでしょうか。今回は宅配ドライバー歴26年のAさんにお話を聞きました。

執筆者:All About 編集部

宅配ドライバー泣かせのタワマンあるある

宅配ドライバー泣かせのタワマン配送あるある

タワーマンションへの配送は独特の苦労もあるそう

タワーマンション(以下、タワマン)では垂直方向の移動があります。一般的にタワマンとは20階以上の超高層マンションを指しますが、50階前後の超高層タワマンの配送には人知れぬ苦労があるそうです。

「超高層のタワマンは宅配ドライバー泣かせで……。宅配業者は搬送用のエレベーターを使用するように言われますが、そもそも台数が少ないことに加え、各階に止まる各駅停車。低層階、中層階、高層階用と分かれておらず、途中の階をすっ飛ばせないので、上下の移動にとにかく時間がかかります。

ゴミ収集の時間と重なると、各階でゴミを収集した台車が乗ってきます。さらに住民の人たちが搬出入用のエレベータに乗ってくることも。こちらも台車に荷物を積み上げているので、乗り込めないことがあるんです。次のエレベーターが来るまで見送ることになるので、垂直方向のお届けはとかく時間がかかってしまって」

さらにタワマン特有の構造にも苦労するポイントがあるそうです。

「ポストボックスが正面玄関の周辺になく、建物を周り込んだ裏側にあるタワマンもありますね。ぐるぐる回りながら、外装と同化して擬態したメールルームを探すのには苦労します(笑)」
 

ほっこり。不覚にも涙が込み上げてきた

さまざまな苦労をしながらも、うれしいこともあるそうです。Aさんが振り返ってくれました。

「以前のお届け先の息子さんにバッタリ再会したことがありました。私が湾岸エリアを担当していた当時はかわいいお子さんでしたが、立派に成長されていました。

『ええっ! どうしたの? 今、何しているの?』とびっくりです。『僕、西新宿に勤務先があるんです』。高層ビルに勤めているしっかりした彼の声を聞いていたら、不覚にも涙が込み上げてきてしまいました」

さらに、こんなエピソードも話してくれました。

「いつも配送するお客さまのお宅には、臨月の奥さまがいらっしゃいました。あるとき、近くを配送していたら、外出中の奥さまが道端にうずくまっていたんです。陣痛が始まっていました。『何かあったらいつでも連絡するから』とご主人には、あらかじめ伝えていたので、急いで彼の携帯に連絡しました。

その後タクシーを呼びに行きました。客待ちタクシーの待機場所が近くにあることを知っていたので、トラックの運転席に飛び乗るとそこまで急行しました。『今にも赤ちゃんが生まれそうな女性がいるんだ。すぐに病院へ連れて行ってくれないか』と。顔なじみのタクシードライバーに頼むと『分かった! すぐに行く!』と二つ返事で応えてくれました」

タクシードライバーが女性を病院まで届けてくれて、その女性は無事にお子さんを出産されたそうです。

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