姉から突然の電話「泊めてもいい?」
「うちは小学生ふたりなんですが、姉のところには高校2年の息子と中学3年の娘がいるんです。つい先日、夜遅くに姉から電話がかかってきました。『息子の彼女を家に泊めていいと思う?』って。何を言ってるんだろうと思いました」そう言うのはリョウコさん(40歳)だ。姉のマミさんからの電話で話を聞いてみると、息子が地元の花火大会に行き、女の子を連れて帰ってきた。彼女なんだけど泊めていいかと聞いてきたということのようだ。
「義兄さんはどう言っているのか聞くと、出張で留守なんだ、と。相手の女の子が誰かもわからない、突然、付き合っている彼女だと紹介されたんですって。その場で相手の親に電話をして迎えに来てもらうか、送っていくかしなさいよと言いました。自分にも娘がいるんだから、娘の親の気持ちになって考えればわかるでしょって」
「お母さんが思っているようなことはしない」
だが結局、姉は息子に言いくるめられて彼女を家に泊めてしまったという。彼女が「うちの親は私のことなんか気にしていないから大丈夫」と電話番号を教えることを拒否したそうだ。「未成年ですからね、下手したら未成年者誘拐とか略取に問われますよね。ただ、姉の話では『彼女は本当に家に帰りたくないと思っていたようで、問題は家庭にあるのよ』って。だからって勝手に泊めていいということにはならない。しかも彼女、息子の部屋に泊まったらしいんです。『お母さんが思っているようなことはしないから』と息子に言われたって。でも部屋には鍵がかかっていたとか」
マミさんは一晩中、やきもきしながら息子の部屋の前にいたらしい。物音はほとんど聞こえなかったというが、せめて部屋を別にするくらいのことはできなかったのかとリョウコさんは姉を叱ったそうだ。
「そんなに怪しい関係ではないみたいだったと姉はホッとしていたようですが、そんなのわかりませんよね。姉は子どもに甘すぎるんですよ。でもその話を職場でしたら、『外をふたりでほっつき歩かれるより自宅に泊めたほうがマシかも』なんて声もあって。
夫なんか激昂しちゃって『うちは未成年のうちは誰とも付き合ってはいけない』と小学生の子どもたちに説教しはじめて。そういう言い方も反発を買いますよね。あと数年したら、他人事ではなくなるんだから」
今どき、中学生だって恋人くらいいるかもしれない。リョウコさんは頭を抱えた。
>ケースバイケース、考え方次第ではあるが……