人間関係

母の態度に「いい年のとり方」が見えてくる。要支援2の高飛車な母を自宅介護して思った本音(2ページ目)

80歳近くになる実母と同居。日によって調子が悪い日もあるがまだ「要支援2」なのでヘルパーさんにも来てもらえない。家族で面倒をみているが、何事にも高飛車で感謝も無い母に日々イライラがつのるばかりだ。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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「生きているだけでいい」とは思うけど

同居する高齢の母の態度にイライラがつのるばかり

同居する高齢の母の態度にイライラがつのるばかり

平常心に戻ると、「生きているだけでいい」と思うこともあるが、日々、なにもせずにぼんやりしている母を見ると、幸せなのかと問いたくなるとヨウコさんは言う。

「デイサービスの様子をこっそり見に行ったことがあるんですが、母は変にプライドが高いところがあるので、みんなと交わろうとしないんですよ。帰宅して楽しかったかと聞くと、『別に楽しくて行ってるわけじゃないし』って。ゲームとか体操とかやっているんですが、スタッフさんに聞いても、確かにあまり楽しそうじゃないと。みんなで世間話をしていてもあまり参加しないようです」

誰か友だちできたの? と聞いても「みんなボケていて話にならない」と悪口をまくしたてる。スタッフに尋ねると、母以外は和気藹々(あいあい)とやっていると言う。

「いい年のとり方」とは?

「母を見ていると、どうしたらいい年のとり方ができるのかが見えてくる気がします。人と一緒に楽しむこと、他人を下に見ないこと、足腰を鍛えること、自分のことは自分でやろうと努力すること、年をとってできないことが出てきたら工夫をすること。そして周りに感謝すること。

感謝という大げさなことでなくてもいい、ありがとうと一言いってニッコリすれば周りは動いてくれるものなんですよね」

とはいえ、母に今さらそれを強要することもできない。大学入学以来、母と同居することもなかったヨウコさんは、「親子といってもわかりあえないことのほうが多い」と嘆く。

「介護保険とは別に、有料サービスをしてくれる事業所もあるようなので、今後はそういうところを探してみようと思います。『なんでこんなに長生きしてしまったんだろう』とつぶやく母に、何が必要なのか、どうしたら少しでも生きていてよかったと思ってもらえるのか、考えたいとは思っているんです。でも実際に居丈高な母を見ると、イラッとしちゃうんですよね。人間、できていませんから」

ヨウコさんにも疲労の色が見える。共倒れにならないよう、そして息子に負担がかからないよう、少しずつ考え方を変えていく必要があるのかもしれない。
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