長男が私立高校に合格、しかし夫の様子が……
「うちの夫、独身時代は『テニスと貯金が趣味』とよく言っていました。実際、結婚したとき通帳を見せてくれ、『家計管理は任せてほしい』と言われた。これからは少し投資もやってみたいけど、絶対に損しないよう堅実に増やすからって。私はお金のことは苦手なので、それで了解しました」暗い表情で、ミユキさん(49歳)はそう言った。28歳になる年に3歳年上の彼と結婚し、29歳で長男を、33歳で長女を産んだ。夫は毎月、少し余裕をもって生活費を渡してくれたし、使い道に口を出されたこともなかった。ここ5~6年はミユキさんもパートで働いている。
「4年前、息子が熱望していた私立高校に合格したんです。本人が頑張った結果だったので、大喜び。私や娘もお祝いしようとはしゃいでいたんですが、なんだか夫の様子がおかしい。初年度納入金を払い込んでおいてほしいと頼むと、わかったと一言。どうかしたのと聞いてみると、『実は……』と夫が泣き出したんです」
夫よ、「貯金が趣味」じゃなかったの?
夫はギャンブルにはまっていた。あんなにあった貯金をほとんどすってしまったと声を絞り出した。そんなバカな……と、ミユキさんは絶句したという。「浮気でもして貢いだのではないかと当初は思っていました。でも夫を追及していくと、本当にギャンブルにつぎ込んだらしい。競馬、競輪、競艇、パチスロ、あらゆるギャンブルに手を出していた。本人は認めないけど、地下組織のギャンブルなんかもやっていたのかもしれません」
すでに借金もあった。社内預金も取り崩されていた。このままでは家のローンも早晩、払えなくなるのはわかっていた。
「どうするのよ! 子どもたちの将来は? 私たちの生活は?」
ミユキさんは夫に殴りかかったという。
>その後もギャンブルをやめられた気配はない