いちいち他人を批判する人の心理とは?
他人を批判しても自分の状況が変わるわけではない。批判する人たちもそんなことはわかっているはず。それでも、自分と無関係の他人を批判するのは、「母親は子どもを置いて出かけてはならない」というのが、その人たちにとっての正義なのか、あるいは自分が我慢して頑張っているのに、気楽そうに日々を過ごしている人を許せないということなのか。
いずれにしても、建設的ではない。
42歳、続くワンオペ育児の「救世主」との関係
「2歳違いの妹とは、それぞれ結婚した時期も子育ての時期も重なっていたんです。私はワンオペで頑張っていたけど、妹はしっかり実家の母に来てもらってけっこうラクしていた。これはちょっとむかつきましたよ(笑)。だからといって、母親にうちにも来てとは言えないし、逆に面倒なことになるような気もした。妹は母と仲がよかったけど、私はあまり折り合いがよくなかったので。結果、大変だったけどあれでよかったと思っています」
ヤスコさん(42歳)は、30歳で長女を、32歳で次女を出産した。次女を出産してからの1年間は、魔の2歳児と新生児の世話で本当に大変だったという。
「早く仕事に復帰したいけどできない。このまま時が止まるのではないかという恐怖感がありました。意味なく涙が止まらなくなったりもした。つらいとき助けてくれたのは、同じマンションに住む年配の女性でした。
彼女に子どもふたりを預かってもらって1時間くらいひとりでカフェに行って息抜きしたこともあります。そのとき、ひとりでお茶しているのを別の近所の人に見られて、やはり妙な噂を流されたけど、気にしない態度を貫きました。関わりのない人に何がわかる、気にするものかと。その年配女性は、いつでも適度な距離で見守り続けてくれた。そういう人がひとりでもいれば、なんとか頑張っていけるのかもしれません」
ヤスコさんにとって、その年配女性は「救世主」だった。今も彼女とはいい距離で付き合いが続いている。批判する人もいれば、さらりと助けてくれる人もいる。それが「世間」というものかもしれない。