子どもを母親に預け、夫やスタッフと焼き肉ランチに行ったことを自身のInstagramに投稿したところ、「やりたいことやりながら育児ってやっぱり芸能人は気楽やわ」と揶揄されたのだ。
>実際の投稿を見る
母親が「育児半分」で何がいけないのか
彼女自身の「毎日好きなお仕事をして、育児は半分して? とにかく体力抜けるところは抜きながら頼れるとこは頼りながら(原文ママ)」というコメントについて、「育児半分って」と批判する声もある。だが、親はふたりいるのだ。育児半分で何がいけないのか。しかも子どもを預かってくれる人がいるのだから、何の問題もない。
本来なら子どもを預けて自分も自由な時間がほしいと痛切に願っている人たちから見れば、彼女は「恵まれた人」だから「妬んでしまう」のかもしれない。だが、自分と環境も状況も違う有名人に嫌味や皮肉をぶつけて溜飲が下がるのだろうか。それですっきりするのだろうか。不寛容にして世知辛い時代である。
こういうことは一般的にもあるようだ。
育休中の35歳、生後8カ月の娘を預けて外出したら
「私は育休中なんですが、つい先日、平日に代休を取得した夫が『たまには息抜きしておいでよ』と言ってくれた。生後8カ月の娘を預けて、久しぶりに学生時代の友人とランチからのカラオケで楽しみました。夕方、自宅最寄り駅近くで近所のママ友にバッタリ。おしゃれしてどうしたのと言われたので、友だちとランチ後にカラオケに行ったことをうっかり喋ってしまったんです。楽しかったから気が緩んでいた」
そう言って笑うのはカヨさん(35歳)だ。よかったわねと言ったママ友の顔が少しひきつっていたことに、カヨさんは後から気づいた。
「翌日、スーパーで別の知人に会うと『あなた、子どもを置いてカラオケに行ってたんだって?』といきなり言われて。びっくりして言葉が出なかった。そうしたら認めたと思われたんでしょうね。なんだかまたたく間に、私は8カ月の子どもを家に置き去りにして外で遊び歩いている女、ということになってしまったみたい。笑うに笑えませんでした」
根も葉もない噂が近所を駆け抜ける事態に
噂はあっという間に近所を駆け抜けていったようだ。カヨさんはその後、すっかりふさぎこんで家にこもりがちになった。夫は「気にするなよ」と言ったが、気にせずにはいられなかった。「2週間ほど経ったころでしょうか、なんとなくこそこそと買い物に行ったら、顔見知りの年配の女性が『人の口に戸は立てられないの。自分が後ろめたいことをしていないなら、堂々としてなさいね』と笑顔を向けてくれた。
そうだ、私は何も悪いことなどしていない。夫に子どもを預けて母親が出かけて何がいけないんだろうと思いました。いつもそう思っているのに、急に世間が批判してきたことで、すっかりいけないことをしているかのような気分になってしまった。こんなことじゃダメだと自らに気合いを入れました」
それ以来、彼女は周りの目を気にしなくなった。言いがかりをつけられたり、思い込みの噂を流されたりしても、通常は釈明する場がない。近所にいちいち言い訳して歩くわけにもいかない。
「その後、いろいろ考えると、彼女も息抜きが必要なくらい追いつめられているのかもしれないと思いました。私も普段はほぼワンオペですから気持ちはよくわかる。敵対しないで助け合えたらいいのに……」
自分がつらいときに楽しそうな人を見ると、人は自然と妬みそねみの感情がわいてしまうのかもしれない。だが、そんなときこそ自制心が必要だ。他人に妬みをぶつけたところで、決して気持ちは上向きにはならないのだから。
>他人を批判する人の心理とは?