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【2025年8月最新】個人向け国債と高金利のネット銀行の定期預金、違いは何?金利と解約条件

「個人向け国債」と「高金利のネット定期預金」、どちらに預けたほうが得なのか?という疑問に対して、両方の「金利」と「解約要件」に焦点を当て考えてみましょう。※サムネイル画像:amanaimages

舟本 美子

舟本 美子

おひとりさまのお金・ペットのお金 ガイド

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大きな違いは何?個人向け国債とネット定期

資産運用をする際、「安全性の高さ」をメインに考えるとすれば「個人向け国債」と「高金利のネット定期預金」のどちらかを検討する方は多いでしょう。

今回は、この2つの商品の違いについて、両方の「金利」と「解約要件」に焦点を当て考えてみましょう。
個人向け国債と高金利のネット銀行の定期預金、預けるならどちらが良い?

個人向け国債と高金利のネット銀行の定期預金、預けるならどちらがいい?(画像:amanaimages)

個人向け国債と高金利ネット定期預金、金利の違い

個人向け国債と高金利ネット定期預金、それぞれの金利はどのくらいなのでしょうか?

●個人向け国債の金利
個人向け国債は、日本政府が発行する債券で、個人のみを対象に販売されています。種類は以下の3つです。

・変動10年:金利が半年ごとに見直され、市場金利が上がれば利息も増えるタイプ
・固定5年:購入時に決まった金利が満期まで変わらないタイプ
・固定3年:同じく、購入時の金利が満期まで固定されるタイプ

いずれも最低金利は「0.05%」が保証されています。

最新の金利(2025年8月時点)は以下のとおりです。
・変動10:0.97%
・固定5:0.97%
・固定3:0.79%

参照:財務省「個人向け国債」

●ネット銀行の金利
ネット銀行とは、インターネット専業銀行のことです。最小限の店舗だけで、サービスの提供が行われており、顧客との接点もほぼインターネット・電話のみとなっています。

代表的なものに、住信SBIネット銀行、auじぶん銀行、ソニー銀行、PayPay銀行、楽天銀行、UI銀行などがあります。

ネット銀行は、通常の銀行と比べ、社員の人件費や店舗維持費用などが少なく済むため、高金利な定期預金が見られることがあります。さらに期間限定でキャンペーン金利や新規口座開設をした人向けのキャンペーンで通常よりも高い金利を適用する場合もあります。

例えば、2025年夏のキャンペーンでは、以下の銀行が高い金利となっています。

【UI銀行】
・キャンペーンの商品名:Anniversary定期預金
・キャンペーン期間:2025年6月18日(水)から2025年9月30日(火)
・金利:年1.35%(税引き後年1.075%)を適用、ただし、上乗せ金利は当初1年間のみ
・対象要件:キャンペーン期間内に新規口座開設+専用口座「はたらくサイフ(普通預金)」へ切り替えを行う
・預入金額:1円以上100万円以下(1円単位)
※期間中であっても受入限度額100億円に達した時点で受付終了

このように、キャンペーン中は国債よりも高い金利が期待できる場合もあります。ただし、適用条件があったり、期間限定だったりする点には注意が必要です。

個人向け国債と高金利ネット定期預金、満期前にやめるときの違い

個人向け国債と高金利ネット定期預金、満期になる前にお金が必要になったときはどうなるのでしょうか? 以下のような違いがありますので覚えておきましょう。

●個人向け国債を中途換金したいときは?
個人向け国債は、購入後1年が経過すれば、満期を待たずに一部または全部を換金できます。この「中途換金」は1万円単位で対応可能ですので、必要な金額だけを払い戻して、残りを満期まで保有することも可能です。ただし、換金時には「前2回分の利息(税引き後)」が差し引かれる点にご注意ください。このため、金額の自由度はあるものの、多少損になる仕組みであることを理解しておきましょう。

個人向け国債は比較的流動性が高い商品のため、急にお金が必要なときにも対応しやすいといえます。

●ネット銀行の定期預金を解約したいときは?
ネット定期預金の解約要件は、銀行ごとに異なります。一般的に、定期預金は、満期まで継続することを約束する代わりに、普通預金よりも高い金利が得られる金融商品です。中途解約するときは、以下のような点に注意しましょう。

●定期預金を中途解約するときの注意点1:解約手数料がかかる
一部の金融機関では、定期預金を解約する際に手数料が発生する場合があります。

●定期預金を中途解約するときの注意点2:利息が低い水準になってしまう
中途解約は可能ですが、預け入れ期間に応じて「中途解約利率」が適用され、当初契約した金利よりも大きく下がってしまうケースが一般的です。

例えば、先ほどご紹介した「Anniversary定期預金」では、満期(1年)まで預け入れしていれば、年1.35%(税引き後年1.075%)の利息を受け取れます。この定期預金は、一部を中途解約することはできません。

また、預け入れ期間が6カ月未満で解約すると、利息は普通預金と同じの低い水準にとどまります。ネット銀行の定期預金は、途中で解約するよりも満期まで預けておくほうがお得です。

参照:Anniversary定期預金商品概要説明書

利息の受け取り方の違い

利息の受け取り方として、個人向け国債は半年に一度、利息をもらえます。一方、定期預金は、基本的に満期まで待ってから、一括で利息を受け取ります。半年ごとに利息を受け取りたい場合は、個人向け国債に預けるといいでしょう。

単利か複利かの違い

金融商品で運用をするときの金利には、「単利」「複利」があり、それぞれで利息の付き方が異なります。単利とは元本に対してのみ利息が計算されます。過去に発生した利息は次の計算に組み込まれないため、元本は一定のままで、その額に応じた利息が毎回付きます。複利とは、元本に対して一定期間ごとに付いた利息も元本に組み入れ、利息を含めた元本に対して利息を計算します。

個人向け国債は、単利なので利息が元本に組み込まれることはありません。定期預金は契約内容によりますが、期間が長いものでは複利方式(利息が元本に組み込まれる)を選べる商品もあります。同じ金利・期間であれば、複利のほうが受け取れる利息額は増えます。

まとめ

個人向け国債とネット銀行の定期預金、どちらを選ぶかは個々の投資目的や運用期間などにより変わります。

・柔軟に対応したい方:中途で払い出す必要がある可能性があるなら、個人向け国債のほうが安心です。
・利息を多く受け取りたい方:満期まで預け続けられる場合は、高金利のネット定期預金(複利)を選ぶとより多くの利息が期待できます。

それぞれの特徴を理解して、適した商品を選びましょう。

※金利は2025年8月27日時点
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品や投資行動を推奨するものではありません。
投資や資産運用に関する最終的なご判断はご自身の責任において行ってください。
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