生田斗真さん「無痛分娩おねだり」発言、2つの不快感
これは、出産が怖いなら無痛分娩を夫にねだればいいのでは、という意味合いだが、女性たちに2つの不快感を与えている。出産方法は女性が主体的に選択するものなのに「夫に無痛分娩をねだる」という表現、そして出産は女性の心身にとって決して安全とは限らないものなのに配慮がないこと。
生田さん本人は、反射的に「痛いのが怖いなら、無痛分娩という選択肢もある」と伝えたかったのだとのちに説明している。だが、無痛分娩は別途料金がかかるため、思わず「旦那様におねだり」という表現になったのだろう。
しかし分娩するのは女性だが、もともとは夫婦の子どもである。しかも「命」を生み出すのが出産であり、物を買うのとはワケが違う。「旦那様におねだり」はあまりに軽い上、出費は男に頼るのが当然という上から目線も女性たちの反感を買った。
さらに自身も子どもがありながら、あっさり「無痛にすれば」と言われることへも女性たちとしては気にかかった点だろう。
日本は世界的にも無痛分娩が少ない
アメリカでは7割以上、フランスでは8割以上と言われている無痛分娩だが、日本では2020年の段階で8.6パーセントに過ぎない。これはひとつには麻酔科医の不足があげられる。現状、日本では産科医が麻酔科医を兼任している場合が多く、専門の麻酔科医が産科に少なすぎるのだ。無痛分娩を成功させるには、麻酔科医の高レベルの技術が必要だ。だからこそ、妊婦にしてみれば、そう簡単に無痛分娩を選択できる状況にはない。「妊娠、出産は男にとって結局、他人事なのね」とがっかりする気持ちこそが、炎上につながったのではないだろうか。
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