女性の健康

Q. 40代後半です。そろそろ避妊をやめても大丈夫でしょうか?

【産婦人科医が解説】月経周期が短くなり、無月経の月が続くと、「さすがにもう妊娠しないだろう」「避妊しなくて大丈夫」と考えてしまうかもしれません。しかし、40代後半の妊娠・中絶件数は、決して少ないものではありません。注意すべき点を解説します。

清水 なほみ

執筆者:清水 なほみ

産婦人科医 / 女性の病気ガイド

Q. 40代後半です。そろそろ避妊は不要でしょうか? 月経も数カ月来ていません

考える女性

40代後半、そろそろ閉経? 避妊する必要はあるのでしょうか?


Q. 「48歳ですが、3カ月ほど前から月経が来ていません。そろそろ閉経する年齢でしょうし、この年齢で自然妊娠する人はほとんどいないと思います。このまま月経がなく、閉経が確実そうであれば、避妊をやめても大丈夫でしょうか?」
 

A. 40代後半の中絶件数も多いので、慎重に。できれば閉経後もセーファーセックスを

40代は徐々に生理周期が短くなり、やがて閉経を迎えます。何カ月か月経がないと、質問者の方のように「閉経した」と判断してしまう方もいますが、閉経の条件は「1年間全く出血がない」状態です。数カ月程度無月経だとしても、まだ妊娠する可能性はあります。

実は40代後半は、人工妊娠中絶の件数もまだ多く、50歳以上でも一定の中絶が報告されています。その年齢ごとの「全妊娠件数」に対して、中絶を選択する人の割合は、実は若年層でも40代後半でも、あまり変わらないのです。他の年代に比べれば、中絶件数そのものは少なくなりますが、決して無視できる数字ではありません。1年間全く出血がなく、確実に閉経したという状態になるまでは、必ず避妊を続ける必要があります。

40代になると、すでにお子さんもいらっしゃり、今後の妊娠はもう希望しないという方も少なくないでしょう。その場合はコンドームによる避妊でも確実とはいえないので、より確実な避妊法として、「ピルの服用」「子宮内避妊具の使用」「避妊手術」のいずれかを検討することも大切です。

それぞれの経済的な負担や副作用・リスクなどを考えられるよう、医師に相談するなどして、ぜひ自分にあった方法を選択してください。

また、「妊娠を避ける」という意味では、閉経後のコンドームなどの使用は不要ですが、夫婦で「セーファーセックス」を意識することは大切です。感染症予防の観点からは、「何歳になってもコンドームは必要」といえます。確実な避妊が必要な時期は、ピルや子宮内避妊具を使用し、感染症予防のためにコンドームを使用することが大切なことは、実は10代でも40代、50代でも変わりません。

さらに詳しく知りたい方は、「避妊は何歳まで必要?中絶選択率も高い40代後半・閉経前後の避妊」をあわせてご覧ください。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます