人の気持ちを想像できない彼女
「つい最近、中途入社で来たアラフォー女性のクミさんが、どことなくヘンだなあと最初から思っていたんです。挨拶はするけど目が笑ってない、話をしてもどこに彼女の本音があるのかわからない。私だけがそう思っているのかもしれないと、最初は黙っていたんですが……」そう言うのは、デザイン関係の仕事をしているメイさん(35歳)だ。中途とはいえ、経験者だというから彼女への期待も大きかった。
「あるとき、まだ彼女は慣れないからと私が一緒に仕事をすることになったんです。取引先の人が、みなさんでと言って菓子折をくれた。その後、私は仕事がつまっていて忘れていたんですが、そういえばクミさん、いただいた菓子折はどうしたの? と聞いたら、勝手に他部署に回していたんです。はあ? と私は目が点。
どうしてそこへ回したのかと聞いたら、これからお世話になるので、と。いや、だったらあなたが買ってらっしゃいよと言いました。みなさんでと言ってうちの部署に差し入れてくれたのに、自分の損得を考えて他部署に回すのはおかしいでしょ、と」
その他部署に所属する知人に尋ねると、彼女はあたかも自分が買ってきたもののように渡したという。「この人は要注意!」という黄色信号がピカピカしたとメイさんは言う。
部長に対する態度もヘンな彼女
大先輩にあたる部長がごちそうしてくれたときも、クミさんの様子はおかしかった。「やたらしつこく、この経費は会社で出るんですか、部長のポケットマネーなんですかと聞くんです。ごちそうしてくれるんだから、どっちでもいいじゃないですか。部長が口を濁していたら、『ポケットマネーなんですね、だったらごちそうになるわけにはいきません』と急に切り口上になって……。私も他の社員もわけがわからず、場の雰囲気がおかしくなりました」
彼女の前職を知っているという同僚に話を聞いてもらったら、どうやらクミさんはパワハラ、モラハラを受けていたと判明。そのトラウマがあるんだろうと同僚たちと話していたのだが、あるときを境に、外部で仕事をしてもらっているフリーランスの人たちから苦情が入るようになった。
>実はパワハラ、モラハラ三昧だった中途社員