人間関係

セクハラ、マルハラ、不機嫌ハラだけじゃない…私は敬語が過剰な「メールの慇懃無礼ハラが嫌」

なんでも「ハラスメント」時代に疲れを感じる人も多いだろう。周囲からのハラスメントハラスメント(ハラハラ)のような指摘に恐怖を感じる人もいる。30代の会社員女性は、「ある時間」の減少がハラスメント合戦をもたらしているのではと語る。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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世代間対立を煽りかねない「ハラスメント」が、妙な流行を見せている。たとえば「マルハラ」。LINEなどのメッセージの文章の最後についつい句点「。」をつけてしまう上の世代と、それを「圧」「責められている?」と感じてしまう若い世代。日頃からコミュニケーションをとっていれば、それも防げるのかもしれないが、SNS等の文字コミュニケーションが増えた今、職場では雑談から相手の世代の気持ちを知る機会が減っているのかもしれない。
ハラスメントは仕事上でも高頻度で遭遇する。メールを介したハラスメントも……

ハラスメントは仕事上でも高頻度で遭遇する。メールを介したハラスメントも……

岐阜県岐南町の元町長による「99のセクハラ」に至っては、本人の認識の低さもさることながら、「よほどみんなに嫌われていたのでは」という疑念さえもってしまう。

「セクハラ」と指摘される恐怖

「うちもご多分にもれずセクハラにはうるさい。以前だったら『おはよう。あれ、髪切った?』なんて軽口も言えたけど、今は言えない。おはよう、だけで止まってしまう。それが本当にいいことなのかはわかりませんけどね」

ため息をつきながらそう言うショウイチロウさん(50歳)。男性から女性へのセクハラには特に気を遣うから、周りの同僚たちも女性たちに話しかけることがほとんどない。

「それでも雑談をすることはあります。ただ、先日も雑談で悪ノリした僕と同世代の同僚が、きれいにネイルした指を自慢していた若い女性社員に『きれいだね。いや、ネイルだけじゃなくて指そのものがきれいだよ』と言ったんです。彼女、本当に手がきれいだし、それが自慢のはず。

なのに周りの女性が『それ、セクハラ』と決めつけた。きれいなものをきれいだと言ったらセクハラなのか、とその同僚が思わずつぶやいてしまって場がシラーッとなりました。言われたネイルの女性はうれしそうだったんですけどね」

「セクハラ」の決めつけこそハラスメントでは

もう、プライベートなことはいっさい言わないほうがいいと、同僚と話したという。その同僚は「セクハラ、と決めつけられたこと、そのビシッとした言い方が怖かった。あれこそハラスメントじゃないのか」と落ち込んでいたそうだ。

こうなるとハラスメント合戦にしかならず、その場の空気は冷えていくだけ。ああ、昭和の緩さが懐かしいと中年世代が思うのも無理はないのかもしれない。

お互いに「これって責められてる?」「これってハラスメント?」と疑心暗鬼になると、ますます関係はおかしくなる。その場で説明しあえればいいのだが、そこまでの信頼関係はできていないのかもしれない。

>「慇懃無礼ハラ」もイヤだ
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