夫とは「大人の夫婦」だと思っていたから
28歳のときに2歳年上の彼と結婚。その後、ふたりの子に恵まれ、共働きで頑張ってきたシノブさん(47歳)。長女は17歳、次女は15歳になった。「夫の父には本当にお世話になりました。共働きだから夫にも家事育児をきちんとやってほしかったけど、夫は仕事が多忙でそうもいかなかった。それは私も理解していたんです。すると義父が『息子ができないことは私が補う』と、毎日手伝いに来てくれた。義母は長女が産まれてすぐ亡くなったので、義父は寂しさもあったんでしょうね。自分が役に立つことが確認できてうれしいんだよと言っていました。人格的にも夫より数段すぐれた人なので(笑)、子どもたちにもいい影響があったと思います」
30代のころの夫は、よく働きよく遊んでいたようだとシノブさんは振り返る。それでも彼女が夫を放置していたのは、「いつかは自分で気づいてくれると思っていたから。夫も大人ですから、子どものように言い聞かせてどうにかなるものでもないと感じていた」そう。義父はそんなシノブさんの気持ちを知っていて、「あのバカ息子が迷惑ばかりかけて」と恐縮していた。彼女はそんな義父の心を大事にしたかったという。
夫の単身赴任先に抜き打ちで「行かない」
「長女が小学校に入るころ、夫が単身赴任になりました。家族で行く選択肢もあったけど、私も仕事を続けたいし、子どもたちのためにも今の場所にいたほうがいいと話し合って。夫には『単身赴任だからって、安心して遊んでいるとあとからツケがくるからね』と脅しました。夫は『わかってるよ』と言いながらもちょっとうれしそうだった」最初の1年は、月に2回ほど必ず帰ってきていたが、2年目に入ると月に1回になり、それが3カ月に1回となるのに時間はかからなかった。夏休みなどは子どもを連れて夫の赴任先に出かけたが、シノブさんはひとりで唐突に訪ねたことはない。
「そういうときに限って何か見つけたりするでしょ、きっと。私だって単身赴任だったら、1度や2度は過ちをおかすような気がするので、わざと知ろうとしないほうがいいと思っていたんです」
3年目に入ると、夫はまた足繁く週末に戻ってくるようになった。寂しくなったらしい。悪事を発見しようとしなかったことがよかったのかもと、シノブさんはホッとした。
>なぜか、単身赴任中の浮気を自白する夫