実際、粘着系の男と不倫してしまった女性は、どういう経緯をたどったのだろうか。
デキ婚した夫との冷え切った夫婦関係
夫の浮気が原因で関係が冷え切ってしまい、職場近くで偶然再会した昔の同級生に優しくされて「その気になってしまった」と言うのは、ユキさん(39歳)だ。「私が26歳、夫が30歳のときにデキ婚したんです。おそらく夫は最初から、私のことがすごく好きだったわけではなく、子どもができたから結婚しただけ。のちに夫の友人から『あいつは、誰と結婚してもたいして変わらないと言っていた』と聞きました」
それでもユキさんは離婚したいとは思わなかった。夫はひとり娘をかわいがっていたし、夫婦の会話は少なかったが手を上げるわけでもないし、家計費はきちんとくれていたからだ。
「結婚なんてこんなものだと思うようにしていました。ただ、娘が小学校に上がったころから、夫はときどき外泊をしたり香水の匂いをぷんぷんさせて帰宅したりと、ちょっと度を超す行動が見られたんです。『仕事が忙しい』『接待で女性のいる店に行っただけ』といろいろ言い訳をしていたけど、女性がいるのは明らかでした」
ユキさんも週に3日ほどパートで仕事をし、家事も育児もほぼワンオペだったから忙しかった。だがどんなに忙しくても、心の奥に夫の件が鉛のように重く存在していた。
夫と違う、優しい男性に惹かれて
「そんなとき職場の近くでバッタリ、高校時代、同級生だった男性に会ったんです。お互いにびっくりしましたが、なんと彼が単身赴任で勤めている会社がすぐ近くだった。今度ランチでもと言ったら、すぐに連絡があって翌日、早速ランチをしました」高校時代の思い出話から、その後のお互いの人生、近況報告としゃべることには事欠かなかった。何度かランチをしているうちに、彼女は彼に心を開いて夫の愚痴までぶちまけた。彼は親身になって聞いてくれ、「ユキちゃんみたいにきれいな奥さんがいるのに、ダンナはひどい」と共感してくれる。ユキさんはさらに彼に心を開いていった。
だが、今度は夕飯でもと誘われたとき、彼女は「子どもがいるから」とやんわりと断った。だが彼は「たまにはいいじゃない。どこかに預けて独身に戻って……」と誘ってくる。
「彼のことが好きだったのか、私をきれいだ、素敵だと褒めてくれるのが心地よかっただけなのか、今となってはわからないんですが、そのときは彼を好きになっていると思い込んでいました」
娘がユキさんの実家に泊まりに行った日、どうせ夫は遅いのだからとユキさんは彼に連絡し、初めて夕飯をともにした。
>ついつい、彼と何度も会うようになり……