やりたいことを書き出してみよう!
――和泉さんは、60代から75歳までにお金を厚く(多めに)配分して、やりたいことに使っていく“前厚(まえあつ)マネープラン”を提案されていますよね。でも実際、「自分のやりたいことがわからない」という方も多いと思います。やりたいことを見つけるには、どうすればいいでしょうか。和泉さん:そうですね、私がおすすめしているのは、ポストイットにやりたいことを一つずつ書いていくという方法です。最低でも10個は、やりたい・やってみたいことを書いてみてください。
やりたいことが思いつかない場合は、これまでを振り返って楽しかったことや、夢中になった体験などを思い出してみてください。そして、書き出したものをやりたい・やってみたい順に優先順位をつけて並べていきます。
優先順位は“満足度”を重視する
――優先順位を決めるとき、迷ったらどうすればいいですか?和泉さん:優先順位で悩んだ場合は二つを並べて、実現性が高い方を選ぶのではなく、やりたいことを叶えられたときの満足度が高くなるのはどちらか、考えてみてください。優先順位が決まったら、それをリストに書き込みます。
やっていない理由を考えてみる
――優先順位が決まったら、次は何をすればいいのでしょうか?和泉さん:次に考えていただきたいことは、やりたいことがあるのに「なぜやってないのか?」、その理由を探ることです。
やりたいことを止めている理由を考えてみよう
「お金がない」「時間がない」「体力がない」など、きっと何かしら理由が出てくると思います。ここでは自分の中で、やっていない・やれていない理由(言い訳)をはっきりさせることが大事です。
例えば、「ピアノを習いたいけれど、時間がない」というのであれば、65歳以降は週3日の勤務にして時間を作る。そうすれば、空いた時間にピアノを習いに行くことができますよね。
このように、やっていない・やれていない理由が明確になれば、それを解決する対策を考えることができます。具体的な対策が立てられれば、やりたいことを実現することができるのです。
無計画のまま60代を迎えてしまうと、何もせずにぼんやりと過ごしてしまい、せっかくアクティブに動ける“黄金期”を無駄してしまうかもしれません。それは、もったいないですよね。
現役のときは、なかなか時間の捻出が難しいかもしれませんが、60代以降は時間は作ろうと思えば作れるはずです。自分自身とよく向き合って、ぜひやりたいことリストを作成してみてください。
【和泉昭子さん出演!動画はこちら】
教えてくれたのは……生活経済ジャーナリスト・和泉昭子さん
ファイナンシャル・プランナー(CFP)/人財開発コンサルタント
大学卒業後、出版社・放送局を経て、フリーのキャスターに転身。NHKを中心に、ニュース・情報番組を担当。2007年マネー&キャリアの支援会社「株式会社プラチナ・コンシェルジュ」を起業。現在は、テレビ・ラジオ等への出演や講演活動などを通じて、マネーやキャリアに関する情報を発信。著書「定年後のお金、なんとかなる超入門~インフレ時代のセカンドライフ(KADOKAWA)」など。