新NISA制度がスタート
2023年までのNISAは年間投資枠が一般NISAは120万円、つみたてNISAは40万円、非課税保有期間が一般NISAは5年間、つみたてNISAは20年間であり、一般NISAとつみたてNISAのどちらかを選ぶ必要がありました。 2024年から導入された「新しいNISA」では、「成長投資枠」「つみたて投資枠」となり、併用も可能です。年間投資枠は、成長投資枠240万円、つみたて投資枠120万円、非課税保有限度額は生涯で1800万円(うち成長投資枠は1200万円まで)となりました。なお非課税保有期間は撤廃され、ともに無期限となりました。〈参考〉金融庁 新しいNISA
後期高齢者医療制度加入者の保険料の段階的引き上げ
後期高齢者医療制度とは、75歳以上の人(*1)が加入する医療保険のことです。75歳になると、それまで加入していた医療保険(国保・健康保険・共済など)から、自動的に後期高齢者医療制度へ加入することになります。この後期高齢者医療制度の保険料が2024年度、2025年度の2段階に分けて以下のように引き上げられます。
○保険料の年間上限額(賦課限度額)を2年かけて段階的に引き上げ
保険料の年間上限額はこれまで67万円でした。これが2024年度には73万円(年収984万円の方が該当)、2025年には80万円(年収1049万円の方が該当)まで引き上げられます。
○一定の収入がある方の所得割を2年かけて段階的に引き上げ
後期高齢者保険料は被保険者全員が負担する均等割と、所得に応じて負担する所得割で構成されています。このうち所得割の保険料率について、一定の収入がある方は、これまでの9.87%から10.70%に引き上げられます。年金のみで生活する人で考えると年金収入211万円(*2)を超える人は2024年度から、年金収入153万円(*3)を超える人は2025年度からと2年度に分けてで引き上げが行われます。
*1:65歳から74歳までで一定の障害の状態にあると認定を受けた人も対象
*2:当該者の所得が旧ただし書所得58万円
*3:基礎控除43万円、公的年金等控除110万円
〈参考〉厚生労働省 医療保険制度改革について
新紙幣の発行
2024年7月3日から一万円、五千円、千円の3券種が新しくなります。新しい一万円には日本近代社会の創造者と言われる「渋沢栄一」が、五千円札には女性の地位向上と女子教育に尽力した教育家「津田梅子」が、千円札には近代日本医学の父と呼ばれている「北里柴三郎」の肖像が描かれ、新たな偽造防止技術として「3Dホログラム」「高精細すき入れ」が取り入れられます。 〈参考〉国立印刷局 新しい日本銀行券特設サイトパートで働く方の社会保険加入適用拡大
現在、従業員数101人以上の会社で働くパート従業員は、以下の全てに該当すれば社会保険(厚生年金保険、健康保険)に加入しなければなりません。- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月額賃金が8万8000円以上
- 2カ月を超える雇用の見込みがある
- 学生ではない
2024年10月1日からは「従業員数51人以上の会社」で働く方にも上の基準が適応されるため、新たに社会保険に加入するパート従業員が増えることになります。
〈参考〉厚生労働省 社会保険加入拡大特設サイト
不動産相続登記の義務化
2024年4月1日からは、相続した不動産の登記が義務化されます。これまでは登記は任意であり「登記費用がかかる」などの理由で放置されたままの所有者が不明な土地も多く、大きな社会問題となっていました。今後は相続により不動産を取得した人には「所有権の取得を知った日」もしくは「遺産分割協議が成立した日」から3年以内の登記が義務付けられ、違反した場合には10万円以下の過料(行政上の罰金)が課せられます。
なお2024年4月1日以前に相続が開始している場合も、3年の猶予期間がありますが登記義務化の対象です。
〈参考〉東京法務局
児童手当の拡充
児童手当とは、中学生まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日)の児童を養育している一定の所得(所得制限限度額*4)までの世帯に支給される手当です。支給額は、3歳未満が月1万5000円、3歳以上小学生までが月1万円(第3子以降は1万5000円)、中学生は月1万円となっています。 児童手当については2024年10月からは以下のように拡充される予定です。- 所得制限の撤廃
- 対象を高校生(18歳の誕生日後の最初の3月31日)までに拡大
- 第3子以降は月額3万円を支給
また支給回数もこれまでの年3回(1回あたり4カ月分支給)から、年6回(1回あたり2カ月分支給)に変更されます。
*4:扶養親族の数に応じて定められており、例えば扶養親族3人(児童2名+年収103万円未満の主婦など)の世帯であれば所得736万円(収入だと960万円)。なお、この額を超えていても所得972万円(収入だと1200万円)までは、児童1人あたり5000円が支給されている(特例給付)
〈参考〉こども家庭庁
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は2024年からのお金に関する身近な変更点を紹介してみました。なお本記事では変更のある制度の概略を示しておりますので、ご自身に関係する制度については、各項目末に「参考」として挙げてある、関係機関のHPを確認されてください。