40歳、職場の同僚男性と2度目のクリスマス
同じように不倫関係を続けて2年経つアキさん(40歳)は、結婚して9年、8歳のひとり娘がいる。「不倫というと暗い気分になりますが、付き合っているのは職場の同僚です。3歳年下で、彼からの猛アプローチがあって、私も彼が好きだったので。職場にも家庭にも知られてはならない関係ですから、いつもヒヤヒヤしています」
彼にもやはり家庭がある。2歳になる子もいる。だが彼は「子どもがかわいいから家庭は壊したくないけど、夫婦関係は最悪なんだ」と言っていた。最初はそんな関係をどうしたらいいか相談に乗っていたのだ。
「だけど途中から相談はどこかへ飛んでいって、お互いの気持ちを吐露しあって。恋愛関係にはなりたくなかったけど、彼をいさめることもできず、自分の気持ちも止められなかった」
ふたりは今年、23日にクリスマスを楽しんだ。土日が休みの仕事ではないので、ふたりで会えるのは23日しかなかったのだという。
「うちは義母と同居なので、23日はどうしても残業がある、でも代わりに24日は休みをもらったからと前から言っておきました。彼のほうは24日も仕事だったので、23日は独身の同僚たちと軽い飲み会だと言ったそうです」
なるべく遅くならないうちに帰ると言い置いて出かけたが、ふたりでゆっくり過ごしたため、帰宅は午前零時を回ってしまった。
「帰ったら、子どもと義母はもう寝ていたんですが、夫がリビングにいたのでドキッとしました。『こういう日に残業なんてあるの?』と言われたので、どういう日だって残業はあると堂々と言いました。嘘をつくときは堂々とするしかないと学んだから」
夫に「怪しい」と疑われて逆ギレしてみせる
ところがこの日の夫は妙にしつこかった。最近、遅い日が多いよねとか、本当に仕事なのかとか、新しい洋服がすごく増えてないかとか、ねちねちと聞いてくるのだ。「何なの?何かあったの?と話をすり替えました。『明日は、あなたの大好きなローストビーフを作るね』と甘い言葉も入れつつ、『私、仕事してるんだよ。仕事が自分の思い通りにならないことばかりだというのは、あなただってよくわかってるでしょ』と半ギレしてみせました。
夫は『怪しいんだよ』と。怪しいと思うなら証拠を見せてよ、疑われるのは不本意だわと声を荒げると、『いや、ごめん』って。申し訳ないと思う気持ちもありますが、ねちねち疑われるのは本当にイヤなんです。いえ、人に言えないことをしているのは自分ですが……」
非現実の世界で恋を楽しみ、現実の世界で夫に逆ギレする。もちろん、人に言えるようなことではないと本人も自覚しての不倫の恋。それでもやめられないのは、恋心の強さゆえなのか現実逃避なのか、本人も認識していないのかもしれない。