仕事・給与

2023年冬ボーナス平均支給額ランキング

2023年冬ボーナス平均支給額、業種別、会社別ランキング、支給額の高い企業トップ10はどうなっているのでしょうか? 大手企業の2023年の冬の賞与は調査を始めた1975年以降、過去最高だとか。

福一 由紀

執筆者:福一 由紀

ファイナンシャルプランナー / 仕事・給与ガイド

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<目次>

2023年冬のボーナス支給、3年連続増、1975年以降過去最高

コロナ禍の回復で過去最大の伸び率を記録し、前年より増となった2022年冬ボーナス。この好調さを、引き続き2023年冬ボーナスにという流れにきていますが、2023年の冬ボーナスの平均は、過去最高の3年連続増とのこと。これは、日本経済新聞社がまとめた2023年冬のボーナス調査(12月1日時点)の結果です。この調査は、上場企業と日本経済新聞社が選んだ有力な非上場企業のうち集計可能な477社の数字をまとめたものです。大手企業のボーナス事情をみてみましょう。
 

前年比2.62%増、86万5903円。支給額は過去最高

2023年冬のボーナス回答・妥結状況。全体の支給額平均は86万5903円で過去最高金額。 調査対象の企業は、上場企業と日本経済新聞社が選んだ上場企業を中心に集計可能な477社で算出。(出典:日本経済新聞社賃金動向調査、2023年12月1日時点。加重平均、増減率と前年比は%、▲は減)

2023年冬のボーナス回答・妥結状況。全体の支給額平均は86万5903円で過去最高金額。 調査対象の企業は、上場企業と日本経済新聞社が選んだ上場企業を中心に集計可能な477社で算出。(出典:日本経済新聞社賃金動向調査、2023年12月1日時点。加重平均、増減率と前年比は%、▲は減)

 
2023年冬ボーナス、税込み支給額の平均は86万5903円で、これまで最高だった2018年を抜き、過去最高の水準でした。前年からの増加率は2.62%と、昨年の10.15%増には及びませんでしたが、3年連続の増加となりました。
 

製造1.59%増、非製造5.16%増

製造業は前年比1.59%増、平均支給額は91万4049円と90万円を超えました。また、非製造業は5.16%増と全体を押し上げる結果となっています。非製造業は、コロナ禍で大幅に下がっていましたが、2022年冬には回復し、2年連続増となりました。いずれも、コロナ禍の影響はなくなったようです。
 

高支給業種トップは情報・ソフト、不動産・住宅、精密機械

2023年冬のボーナス業種別回答・妥結状況。調査結果より筆者が支給額順にランキング(出典:日本経済新聞社ボーナス調査、2023年12月1日現在。加重平均、増減率は%、▲は減)  

2023年冬のボーナス業種別回答・妥結状況。調査結果より筆者が支給額順にランキング(出典:日本経済新聞社ボーナス調査、2023年12月1日現在。加重平均、増減率は%、▲は減)  


業種別のボーナス平均額をみると、トップは情報・ソフトの150万7963円で前年比11.6%増でした。2位は不動産・住宅で116万1469円、前年比6.56%増です。3位は精密機械で106万2697円。こちらは前年比2.03%減でした。4位の通信は103万2292円、5位の造船は101万2334円、6位の電機は100万1784円とここまでが100万円超えとなります。
 

水産19.41%、鉄道・バス17.78%、ホテル・旅行15.18%増

前年冬からの増減率をみると、水産は19.41%増、鉄道・バス17.78%、ホテル・旅行15.18%増と非製造業が大きく上げています。非製造業は多くの業種で前年比よりアップしており、他にも情報・ソフト11.6%、レジャー10.52%増と1割以上アップの業種が目立ちます。
 

ガス、化学、鉄鋼、紙・パルプ、精密機械は前年より2%以上減

一方、前年より減少したのは、ガス、化学、鉄鋼、紙・パルプ、精密機械などの9業種。32業種中9業種が減少しています。中でも、非製造業のガスが12.43%減と大きく下げています。また、製造業でも化学5.38%減、鉄鋼4.39%減、紙・パルプ2.7%減、精密機械2.03%減となっています。非製造のガスの減少が目立ちますが、製造業も減少している業種が出ています。
 
非製造業では他にも、建設1.95%減、陸運0.17%減とこの3業種のみが前年より減っています。その他は前年より増加しており、増加している業種の方が多くなっています。
 

会社別支給額トップはディスコ、平均359万円!

 
2023年冬のボーナス支給額ランキング(会社別)。  会社別ではディスコがボーナス支給額トップ。  (出典:日本経済新聞社ボーナス調査、2023年12月1日現在。□は会社回答段階。-は非公表、▲は減)  

2023年冬のボーナス支給額ランキング(会社別)。  会社別ではディスコがボーナス支給額トップ。(出典:日本経済新聞社ボーナス調査、2023年12月1日現在。□は会社回答段階。-は非公表、▲は減)  


会社別の支給額のトップは半導体製造装置のディスコで前年冬より13.62%増の359万4132円でした。昨年も1位で、前年比32.39%増でした。平均年齢38.6歳でこの金額はかなりの好待遇です。

また2位は住宅・建設・不動産のトーセイで216万7860円。3位は機械のスター精密で206万5738円。4位は半導体の東京エレクトロンデバイスで202万1628円。5位はITのJBCCで178万4260円で、なんと前年比44.95%増でした。5位まで、機械、不動産、半導体、ITの業種が入っています。
 

流通・外食では、高島屋113万、ワークマン101万円

支給額ランキングの上位は製造業の会社で占められていましたが、流通・外食の支給額をみると、1位は高島屋で113万8379円、前年比12.01%増、2位はワークマンで、101万7879円、前年比1.96%増。3位はしまむらで90万8529円、前年比0.7%増でした。
 
非製造業でも収益が好調な会社は、100万円を超えて支給しているところもあります。
 

物価上昇率には及ばず

2023年の冬ボーナスは前年比より増え、過去最高とのことでした。しかし、消費者物価指数は2023年10月で前年同月比3.3%上昇しています。ボーナスの伸びより物価のほうが高くなっているので、購買力は増えていないという結果に。ボーナスの金額が過去最高といっても、各家庭のお財布の紐が緩むのは、まだ先のようです。

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