亀山早苗の恋愛コラム

「新婚レス」の6割は20代…快楽目的はNGで子作りならOKという価値観に苦しんだ34歳の決断(2ページ目)

セックスレスは、結婚生活が長い夫婦に限った話ではない。4000人の既婚男女を対象にした調査とともに、新婚時代からのレスに悩み続けた30代夫婦のエピソードを紹介しよう。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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結婚2年、性的な話題がタブー扱いになった

結婚して2年が経ち、エリさんはこのままではいけないと思い始めた。ただ、そのころには性的な話題はなぜかふたりの間でタブーのようになってしまっていた。

知らないうちにそうなっているのは、やはりどちらかが、あるいはふたりともが『性のことは話すのが恥ずかしい』『話し合うようなことではない』と思っていたのではないだろうか。いつになったら、誰もが性的なことをオープンに話し合える土壌ができるのか、逆に時代が進むにつれ閉鎖的になっているのではないかと懸念せざるを得ない。

「でもあるとき、『このままだと気持ちも離れそうで怖い』と彼に訴えてみたんです。すると彼は『子どもでも作ろうか』って。その子どもでも、という言い方にカチンときてしまって。子どもを作ることとセックスすることは、リンクはするけどイコールではないんじゃないのと言ったんです。すると『結婚して家族になってからのセックスは、子どもが目的でしょ』って。だったら結婚なんかしたくなかったと言うと、じゃあ、別れようかと。なんだかわからないけど、それで離婚しました」

耳を疑うような展開で離婚した結果……

は? 思わずこちらが耳を疑ったのだが、エリさんは結局、そのまま離婚したのだという。

家族としての愛情が育たなかったと彼は言ったそうだ。恋人としての愛情はあったはずだが、家族としての愛情をエリさんが持とうとしなかったと彼は思っているらしい。

「愛情をそうやって分けることにも違和感がありました。結局、あの結婚生活は何だったんだろうと今でも思っています。結婚してからは一度もしませんでしたね」

苦笑するエリさんだが、まだ心の整理はついていない。

結婚という制度を重く考えすぎるのか、あるいは「家族」がプレッシャーとなるのか。はたまた、若い世代の夫婦観が、恋愛感情や男女関係から大きく離れているのだろうか。性の二極化は以前から言われているが、それはさらに進んでいるのかもしれない。
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