亀山早苗の恋愛コラム

「捨ててゴメン」って呆れる!元夫の勘違い発言に娘が反撃「は? 私たちはゴミじゃない」(2ページ目)

自らの浮気を原因に離婚したというのに、子どもを口実にコミュニケーションを取ろうとする未練たらたらな元夫たち。呆れた言動の数々にもっとも冷静で辛らつなのは意外にも子どもだったりする。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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「いいかげんに離婚しなさい」と娘

同じように4年前に離婚したマリさん(47歳)は、現在、高校生の娘、中学生の息子との3人暮らしだ。

「夫の浮気に耐えかねて、証拠を揃えて調停から裁判へとけっこう大変な思いで離婚しました。夫に恨みがあるわけではなかったけど、子どもたちの将来のために財産分与や養育費だけはきちんとしておきたかったんです」

自分に非があると認めながらも、夫は離婚したがらなかった。調停を起こしてからずっと別居していたのだが、夫はときどきやってきては「別れないでくれよぉ」と泣いた。

「私より子どもたちが夫に対して嫌悪感を持っていたんですよ。特に上の子はパパっ子だったのでショックが大きかったみたい。それだけはちゃんと謝ってほしいと私も思っていました」

離婚理由が夫の浮気だと子どもたちに告げたわけではないが、10代になれば子どもだって薄々勘づいてはいる。

夫側がいろいろ難癖をつけて進まなかった離婚裁判が一気に進んだのは、あるとき夫が娘に会いたいとやってきたときのことだ。

「お父さん、いいかげんに離婚しなさいよ。自分が悪いんでしょう? お母さんはお父さんを悪く言わないけど、私は知ってるよ。お父さんが私たちを裏切っていたこと」

娘の強烈な指摘で離婚をのんだ元夫

いきなり娘にそう言われた夫はうろたえたという。裏切ったわけじゃないと必死に言い訳していたが、娘に「私はお父さんみたいな人とだけは結婚しない」と言い放った。

「私もさすがに、大人になればお父さんの気持ちもわかるときが来るかもしれないと、なぜか夫を庇ってしまったんですが、娘は『だったら離婚してから、他の人と付き合えばいいじゃない』とにべもなく言ったんです。夫はがっくりして、そこからほぼ私たちの言い分をすべて飲む形で離婚が成立しました。夫に悪いかなと私が思うほどで……」

そんな娘も今は父親と、たまに外で「デート」しているようだ。夫はいまだにマリさんが自分に思いを寄せていると“勘違い”していると娘が報告してくるそう。

「お母さんに彼氏はできたのかな、本当は今も僕を好きなんだろと娘に問いかけてくるそうです。娘は『バカじゃないのって言ってやった』と。私は夫の浮気だけではなく、だらしないところなどもほとほとイヤになって別れたのに、夫は私がまだ好きだと思ってる。おめでたい人ですよね」

呆れたようにつぶやくマリさん自身は、元夫に会うことはほとんどないが、「会いたいと思わないから」とにべもない。それでも元妻の気持ちは自分にあると思いたがっている元夫。この温度差が離婚に至ったひとつの要因かもしれないのだが、それを元夫が知ることはないのだろう。
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