人間関係

「女は出産しないと女になれない」のか?職場でのハラスメントを量産する“普通”の押しつけ

福岡県宮若市の塩川秀敏市長がまたハラスメントだ。市の女性職員に「女は子どもを産んで初めて女になる」などと発言した疑いがある。いまだに「子どもを持って一人前」と考え、プライベートにずけずけと踏み込んでくる人間は、社会のどこにでもいる。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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以前から市職員へのハラスメント行為が指摘されている福岡県宮若市の塩川秀敏市長(75)が、またもやセクハラ発言か。
どうしてこうも無神経な発言をして問題を起こす人が後をたたないのか

どうしてこうも無神経な発言をして問題を起こす人が後をたたないのか

「女は子どもを産んで初めて女になる」と……

出産した市女性職員との会話で、「女は子どもを産んで初めて女になる」などと発言した疑いがあるという。当事者の女性は「親しくもないのに踏み込んだ発言が不快だった」と述べているようだ。

市長は急きょ記者会見を開き、「女性は出産前後で変わるという趣旨の話はしたが、そういう言葉は使っていない」としながらも、記憶にないと言ったり不快な思いをさせたことは謝罪すると言ったり。なかなかの迷走ぶりだ。

長い妊娠期間を経て子どもを生むという行為は、確かに女性にしかできない。だが、「女は出産しなくても女」だ。子どもを生まない女、生めない女は女ではないのかと、わかっていながら反論したくなるような軽率な発言である。

しかも、出産前後で何が変わるのかは人によって違うだろうし、自身では何も変わってないと明言する人も少なくない。結婚、離婚、出産などプライベートなことに、「親しくもない」職場の人間があれこれ言うのは、今の時代、御法度に近い。

しかし、こういう人がいるのが「社会」なのだ。もちろん、男性が似たようなことを言われている事実もある。

どうして子ども生まないの?

「結婚して10年経つんですが、とうとう妊娠しませんでした。うちはどちらかに問題があるわけではなかったので、不妊治療も視野に入れて夫ともしょっちゅう話し合った。でも自然にできないなら、それでもいいじゃないかという結論に達したんです。夫も私も仕事が好きだから、それぞれ思い切り仕事をしながら、休日はふたりで楽しく過ごすのも悪くはない。子どもがいないのを寂しいなとは思いますが、別にコンプレックスはもっていません」

そういうのはメグミさん(41歳)だ。職場には独身もシングルマザーも既婚者もいるが、それぞれの立場を慮りながら、ごくスムーズに仕事が進んでいた。また当時の男性上司はプライバシーには踏み込まないタイプの人だった。

ところが2年前にやってきた女性上司は、親近感をあらわそうとしたのだろうか。それぞれに「結婚しないの?」「どうして離婚したの?」などと聞き、メグミさんは「子どもほしくなかったの? 生まないの?」と尋ねられた。

それがひどく不快だったため、女性たちで結託して、そういうことは聞かないでほしいと訴えた。

>女性上司の不適切発言を訴えた結果……
 
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