スッキリはするかもしれませんが、実は公共の場で立ちションをすると犯罪にあたる可能性があります。近隣トラブルに発展するリスクも。
All About編集部は全国のユーザーに「近隣トラブル」に関するアンケート調査を実施(※)。投稿者から寄せられたお悩みに対して、弁護士でAll About 暮らしの法律ガイドの鬼沢健士が回答します。
自宅の玄関前で「立ちション」
【投稿者からのお悩み】自宅前に飲食店があるのですが、そこの酔っ払ったお客さんが頻繁に私の家の玄関前で「立ちション」をするんです。お店には何度も注意してほしいと言っているのですが、「酔っぱらっているし、仕方ないわねぇ~」と相手にしてくれません。どうして私が臭くて嫌な思いをし続けないといけないんでしょうか? 「立ちション」は法律的には問題ないのでしょうか。また、どのように対応したらいいのでしょうか(40代女性/東京都)。
軽犯罪法違反にあたる可能性
【回答】立ちションは「軽犯罪法」第1条26号で道や公園といった公共の場で大小便をする行為が該当すると具体的に規定されており、違法です。場合により、1日以上30日未満の拘留、または1000円以上1万円未満の科料(またはその両方)の刑が定められています。
また、家の玄関前で立ちションをしているということですので、刑法130条前段の「住居侵入罪」が適用される可能性もあります。住居侵入罪とは、正当な理由なく、居住者の意思に反して他人の住居に侵入した場合に成立します。立ちションは正当な理由とは言えませんし、玄関前ということは敷地内に立ち入っているケースがほとんどだと考えられます。住居侵入罪の場合は、軽犯罪法違反よりも罰則が重く、3年以下の懲役、または10万円以下の罰金の刑が定められています。
また外で性器を露出していることになりますので、刑法174条の「公然わいせつ罪」にあたる場面も考えられるところです。
直接注意するのは避けて
対応策としては、監視カメラや人感センサー付のライトの設置をおすすめします。直接注意するのは思わぬトラブルを引き起こす恐れがあります。監視カメラはダミーのものでも構いません。「カメラで撮影しています」の文言が書かれたステッカーを貼ることも一定の抑止力になると考えられます。ただし、それでも効果がない場合には、警察に相談することも視野に入れ、監視カメラ等できちんと録画し、証拠を集めましょう。
参考
※All About編集部が全国176人にアンケート。調査期間は2023年11月14日~11月20日