定年間際、単身赴任から自宅にもどったら妻の様子がおかしい
妻からの「卒婚」提案は想定外だった
「うちは仲良くやってきたという自負があっただけに、僕としては妻の提案をどうとらえたらいいのかわからなくなっています」
そう言うのはタカシさん(57歳)だ。結婚して26年経つ。2歳年下の妻との間には24歳と22歳、ふたりの男の子がいる。長男は就職して家を離れ、次男は地方の大学に在籍している。
「40代のころから僕は断続的に単身赴任をしているんです。最初は40歳のとき。数年、地方にいて東京本社に戻って、46歳から50歳までまた地方へ。その後、また東京、そして52歳から4年間、地方にいて今年、やっと戻りました。妻も仕事をしているので、結婚当初から単身は覚悟していました」
それでも40代のころはまだ子どもたちが家にいたため、週末はなるべく帰宅するようにしていたし、妻からも「疲れると思うけど、なるべく毎週、帰ってきてね」と言われていた。
彼自身、まだ体力も気力も充実していたので、自宅に戻ることでまた新たな英気を養えるという実感があった。
定年間際、単身赴任から戻ってきたら
ところが50代になると、やはり体力的な衰えを感じざるを得なくなった。
「息子たちも大学生になって、もう完全に親とは違う世界を築いていった。妻からも子どもに関する相談はほとんどなくなりました。でもふいに僕のところへ息子が訪ねてくることもあって、大人同士として息子と関わるのは楽しかった」
今年、ようやく単身赴任から戻り、もう定年までは東京勤務になりそうなのだが、ここへきて妻の言動がおかしくなっていることに戸惑いを隠せない。
>妻の態度がおかしい