Q. CBDは合法で安全ですか? 吸っても害はないのでしょうか?
CBDオイルやCBDグミなど、日本国内でも販売されていますCBD入り製品の安全性は?
「CBDオイル」「CBDリキッド」「CBDグミ」「CBD電子タバコ」など、最近は大麻草に由来するカンナビノイドの一種である「CBD」を利用した製品を目にするようになりました。これらに違法性がなく、安全性の高いものといえるのか、解説します。
Q. 「最近CBDの製品をよく見かけますが、法律で規制されていたりはしないのでしょうか? リラックス効果があると聞くので、吸うとどうなるのか気になります。体に害はなく、安全なものなのですか? それとも吸うのはやめた方がいいのでしょうか?」
A. CBDは法律で規制されていませんが、安全性は保証されておらず自己責任です
CBDは、大麻草に由来する化合物群の総称である「カンナビノイド」の一種である「カンナビジオール」という化合物の略称です。大麻草の葉や花の部分を乾燥させて加工した「乾燥大麻」や、樹液を圧縮して固めた「大麻樹脂」などは、吸うと幻覚などが起こり、長期的にも心身にさまざまな悪影響を及ぼすリスクがあるため、法律によって規制されています。幻覚などの精神作用を起こす主な成分は、「テトラヒドロカンナビノール」(THC)と呼ばれる化合物です。
では「CBD」はどうでしょうか? CBDも大麻草に由来しますが、THCに比べると精神作用が弱く、THCの作用を弱めるという報告もあります。アメリカではCBDを有効成分とする医薬品も使用されています。
最近は日本国内でも、CBD入りのサプリメントやグミなどの食品、CBDオイルなどの製品を見かけるようになりました。以前から大麻を規制してきた「大麻取締法」は2024年12月に改正されましたが、元の法律でも改正された法律でも同じく、成熟した茎や種子やその製品は「大麻」には該当しないとしていますし、幻覚を生じさせるようなTHCは、成熟した茎や種子にはごく微量しか含まれていないことも判明していますので、大麻草の成熟した茎や種子を原料としてCBD関連の商品を製造・販売することは違法ではありません。ただし、もし製造過程でごく一部でも葉や花穂が混入してしまった場合は違法な製品になります。製造過程のしっかりした製品でないと、混入したTHCを摂取してしまう危険もありますので、注意が必要です。
体へのリスクについての質問ですが、CBDは「法律の規制対象外」ではありますが、これは体への安全性が保証されていることを意味しません。非常に厳しい試験と審査を経て一定の安全性が認められた医薬品であっても、健康被害が起こることがあるくらいです。CBD製品はあくまで食品として提供されているものですので、自己判断で利用することになりますし、まだ何ら安全基準が設けられていない点を考えると、危険だと考えて慎重に扱った方がよいのではないでしょうか。
また、CBD製品は「リラックス効果がある」とうたって販売されていることが多いようですが、CBDが効果を発揮するメカニズムは不明ですし、そもそも効果があることが客観的に実証されているわけでもありません。もし本当にリラックス効果が生じるのならば、それはCBDが脳の神経活動を抑制して静穏作用を示すことを意味しますから、「CBDには精神作用がない」といった説明に矛盾が生じることになります。
CBD製品を利用する際には、作用や長期的な影響がまだよくわかっていないというリスクを理解しておく必要があることを申し添えておきます。CBDについてさらに詳しく知りたい方は、「麻薬研究者が解説する「CBD」とは何か…効果と注意点」をあわせてご覧ください。
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