親世代からすれば、もはや子どもたちに「異星人みたい」と感じることさえあるようだ。
伸び伸び自由にすごす娘たちがうらやましい
無限の可能性が羨ましい
「私は親に厳しく育てられたほうなんですが、今どきは厳しくもしていられませんよね」アスカさん(50歳)はそう言って苦笑した。教育関係の仕事に携わる彼女は、客観的に今どきの子どもたちを見ている。一方で、17歳と15歳の自身の娘たちにはまた、別の気持ちを抱いていると語った。
「うちの子たちもそうですが、とにかく怒られるのが苦手ですよね。負けず嫌いの子も少なくなっているような気がします。私は父親に殴られたりしたこともあったけど、今の時代は絶対にしてはダメだと夫も話し合い、とにかく親が我慢して静かに言い聞かせるようにしてきました」
その結果、子どもたちは伸び伸びと育ってはいるという。ただ、長女はちょうどむずかしい時期で、ときには繁華街に行ったりもしているようだ。
「夕飯までには帰っておいでと言っているので、それほど遅くはならないようですが、ときどき私の残業のときなどはこっそり危ないところにも行っているみたい。それは親から見て危ないところであって、私が彼女の年代ならもちろん興味本位で足を運ぶだろうと思うので、あまりうるさくは言わないようにしていますけど……」
長女はダンスが大好きで、繁華街でストリートダンスにチャレンジすることもあるらしい。ダンスを生業にするのはむずかしいだろうと思うが、諦めなさいとも言えない。
「まだまだ無限の可能性を持っていると思うので、とにかく好きなことを極めてほしいとも思います。それで挫折したらまた考えればいい。夫はダンスには反対ですが、子どもの好きなものを反対する権利はないんですよね」
私は娘に嫉妬している
好きなことをさせたい一方で、保守的な考えから子どもを抑えつけようとする自分もいる。その矛盾が我ながら情けないと彼女は言った。「考えてみたら、結局、私は娘に嫉妬しているんだと思います。自由に好きなことができる環境にいて、親もそれほどうるさいことは言わなくて。私が彼女だったら、もっと努力を重ねているだろうとも思う」
ついうっかり「あなたは自分の幸せに気づいていない」と説教して嫌がられたこともある。それはアスカさんの本音ではあるが、本音を娘が受け入れてくれるとは限らない。どこまで親の意見を言えばいいのか、あと1年で成人になる娘にどう接したらいいのか、最近、彼女は娘への嫉妬もあいまって不安になっていると顔を曇らせた。
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