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Q.クマは冬眠するから「冬の間は出没しない」という情報を信じても大丈夫?

日本全国で相次いだ「クマ被害」。冬場は「冬眠するから出没しない」と安心してはいけない理由を解説。

和田 隆昌

執筆者:和田 隆昌

防災ガイド

冬のレジャーでも、クマとの遭遇に注意したい

冬のレジャーでも、クマとの遭遇に注意したい

Q.クマは冬眠するから冬の間は出没しない?

日本全国で「クマ被害」が相次いで報告された2023年。ネット上には様々なその生態の情報があふれているが、そのほとんどに「絶対」はないということを覚えておいて欲しい。そのひとつが「クマは冬眠しているから冬の間は安全」という情報だ。

A. 冬場のクマ被害は過去に何度も発生している

日本に棲息する多くのクマは、山に木の実が無くなり餌が取れなくなる冬場は、エネルギーを消費しないようにと冬眠に入る習慣を持つようになった。しかしクマにも個体差がある。過去、冬場にクマと遭遇したことによる死傷事故は何度も発生している。

実際に筆者も長野県の雪山で複数のクマ目撃情報が寄せられたことで一帯が閉鎖され、楽しみにしていた翌日のスキーを断念した経験がある。
 
過去、クマによる人的被害が最多だった2020年のクマ出没情報(2万887件)は2023年に2万2861件と最多更新され(環境省「クマ類の出没情報について」)、暖冬が予測される2023年末~2024年も同傾向が危惧されている。

2023年はクマの主食である山の木の実が不作になっている事で、飢餓状態のクマが多いと考えられる。それによってクマたちの冬眠が早まる場合もあれば、気温が下がらない場合は栄養をためておくために冬場になっても捕食のために行動範囲を広げている個体も多くなる可能性がある。今季は冬場のクマの出没も十分考えられるのだ。

※環境省「クマ類の出没情報について[速報値]
※環境省「クマ類による人身被害について[速報値]

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