43歳2児の母、夫との「ベッドタイム」がしんどい理由
みさきさん(43歳・仮名)は共働きで2児の母。育休を終えた今は、勤務先の時短勤務制度を活用しながら子育てと仕事の両立を忙しくこなしています。ITエンジニアの夫は、コロナ禍以降ほぼ在宅勤務ですが、子育ては消極的で、基本的に「言われたことしかしない」というタイプ。そんな夫が唯一積極的になるのが「ベッドタイム」。週末の夜中になると、「そろそろ時間だから起きて」と、寝ている妻をわざわざ起こして求めてくるそうです。
ところがみさきさんは、平日の睡眠不足もあってそれどころではありません。「今は無理。眠らせて」と夫に伝えるのですが、「眠いならすぐに入れてすぐ終わらせるからさ」「服を脱ぐのが面倒なら、口でもいいよ」などと、あくまでも「夜の営み」を強要してきます。
夜中に繰り返し言われるのも面倒なもの。渋々応じながら、頭の中は「ああー、早く終わってほしい」「これが終わったら、あと1時間ぐらい寝られるかな」という気持ちでいっぱい。営みを楽しむどころではありません。
夫がキレて大暴言「風俗代を出せ!」
こんなベッドタイムを余儀なくされてきたみさきさんですが、春から半年ほど大きなプロジェクトにアサインされ、家に持ち帰った仕事を睡眠時間を削ってこなす日々。忙しさに疲れが重なり、何度起こされようとも「無理!」「無理!」と拒否し続けた結果、ついに夫がキレて言い放ったといいます。「夫婦ってことは、いつでもできるってことだろ。妻とできないなら、オレはどこでやればいいんだよ。風俗に行けってことかよ。それなら風俗代は家計から出してもらうように請求するから」
これにはさすがに腹が立ったみさきさん。
「は? いつでもできるって、妻をセックストイだとでも思ってるの? こっちだって断る権利があるわよ。しかも、風俗代を家計からって甘ったれてんじゃないよ。自分の性欲の処理ぐらい、自分の稼いだ金でやりなさいよ」
合意のない性行為は「性加害」
それ以来、無理に求めてくることはなくなったと言います。「まだ正式に謝罪されていないので、きちんと謝ってもらうまでは拒否を続けるつもりです」
夫婦であっても、合意のない性行為は「性加害」です。睡眠不足がストレスとなり、健康を損なうことだってあるかもしれません。
「妻だから、させてくれて当たり前」ではないですし、「夫だから、求めるのは当たり前」でもありません。セックスはあくまでも夫婦のコミュニケーションの延長線上にあるものです。
普段の言葉や気持ちが通じ合ってこそ、お互いの思いやりがあってこその「営み」です。「求めてくれない」「応じてくれない」と相手に期待するばかりではなく、営みに至るまでのプロセスを丁寧に紡いでいくことが大切です。
まとめ
周囲には、「パワーカップルでかっこいいな」「充実した人生を送っている夫婦だな」と思われているかもしれません。けれども実際は、寝室事情を理由に夫が妻に見捨てられる寸前かもしれない。その逆もまたあるでしょう。何事も「当たり前」と思わず、夫婦の形を見つめ、時には寝室問題にスポットライトを当て、常に一番幸せな在り方を再発見していきましょう。※参考:一般社団法人日本家族計画協会家族計画研究センター「ジャパンセックスサーベイ2020」