同情してついつい面倒をみてしまうと……
話し合いもできない夫を叩き出した
「付き合っているときはおもしろい人だなと興味が尽きなかった人なんです。でも結婚したら、完全に家庭向きじゃないとわかった。デキ婚だったから、すぐ離婚というわけにもいかず、3年ほどはなんとか我慢しました」苦笑しながらそう言うリサさん(39歳)。今は10歳になる娘とふたり暮らしだ。どうしても仕事のやりくりがつかないときは、近くに住む元義母が娘の面倒を見てくれる。
「この義母が本当にいい人なんです。あんな男はさっさと捨てろと離婚を勧めてくれたのも彼女。実母より頼っています」
1つ年下の元夫は、友人が多くて人望はあるが、どこかだらしないところも多かった。お金がないのに人に貸したり奢ったりするのはよくあることで、友だちの元カノに同情して過ちをおかすようなこともあった。自分の娘を遊びに連れていくときは、友人や近所の人の子まで誘い出す。
夫にするには“最悪”なタイプ
「本人が寂しがり屋なんですかねえ。悪い人じゃないのはわかっているけど、夫にするには最悪ですよ。友だちのために自分が借金したり、他の家の子が迷子になったと知って、自分の娘を家にひとりで置いたまま探しに行っちゃったり。私、よく言ってたんですが、行動が短絡的なんです。瞬間行動、何も考えずに体が動いちゃう」代わりに娘はしっかりした子に育ったとリサさんは笑った。離婚に踏み切ったのは、彼の借金が数百万あると知ったこと、そしてリサさんの友人と浮気をしたことなどが原因だった。
「以前にも私は夫の借金を100万くらい払ったことがあるんですよ。そのときは目に涙をためて『感謝してる』と言ったくせに、また借金している。浮気の件だって、浮気じゃないと言い張るんです。私の友人から離婚を考えていると相談されているうちにそういうことになったけど、恋愛感情はないし、家庭を壊す気もないって。そんなことを言っても私の傷は消えない。義母にちらっと言ったら、『別れたほうがいいんじゃない? ああいうバカは治らないから』って(笑)」
離婚届を突きつけたら、夫は泣いて土下座したという。いざとなったらこうやって謝れば許されると思って、この人は生きてきたんだろうなと思ったら、リサさんの気持ちは冷めていった。
>娘に会いたい気持ちもわかるが