11月株式市場の傾向(日経平均225銘柄)
11月は、相場全体の株価が乱高下しやすい傾向があります。今回は、値動きが激しい相場の中でも特に、株価が下がりやすい傾向にある銘柄をご紹介します。株価が下がりやすい銘柄を事前に知っておくことで、不用意に損失を被るリスクを回避できるでしょう。株価が下がりやすい銘柄をご紹介する前に、11月の相場の日経平均採用銘柄(225銘柄)について、過去の株価データを用いて検証してみました。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
検証対象:日経平均採用銘柄(225銘柄)
検証期間:2000年1月1日~2023年9月30日
1銘柄当たりの投資金額:20万円
買い条件:10月末の寄り付きで買い
売り条件:25日経過後の翌日営業日寄り付きで売り
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
10月末に日経平均採用銘柄(225銘柄)を購入し、25日経過後に売却した場合について検証を行います。仮に、勝率が50%以上で損益がプラスならば、11月は株価が上がりやすい月となります。反対に損益がマイナスであるならば、11月は下がりやすい月だといえるでしょう。
以上のルールで過去のデータを用いて検証した結果は、以下の通りです。
【検証結果】
- 勝率:56.70%
- 勝ち数:2,715回
- 負け数:2,073回
- 引き分け数:36回
- 平均損益(円):3,405円 平均損益(率):1.70%
- 平均利益(円):17,409円 平均利益(率):8.70%
- 平均損失(円):-14,878円 平均損失(率):-7.44%
- 合計損益(円):16,424,417円 合計損益(率):8,212.36%
- 合計利益(円):47,266,547円 合計利益(率):23,633.92%
- 合計損失(円):-30,842,130円 合計損失(率):-15,421.56%
- PF(プロフィット・ファクター):1.533
- 平均保持日数:27.29日
以上が、11月の株式市場(日経平均225銘柄)の検証結果です。結果を見てみると、勝率は56.70%、平均損益(率)は1.70%となっています。勝率が5割を超え、1トレードあたりの平均損益がプラスとなっていることから、11月の日経平均採用銘柄は、上がる傾向があるという結果となりました。
なお、全銘柄を対象とした検証は、「【2023年】11月の株式市場の傾向は?」で取り上げていますので、併せてご覧ください。
では最後に、11月相場の日経平均採用銘柄(225銘柄)は株価が上がりやすい傾向である中で、株価が下がりやすい傾向にある銘柄をご紹介します。
11月の低成績銘柄ランキング
表は、先ほどの日経平均採用銘柄(225銘柄)を対象とした検証において、勝率が低かった銘柄のランキングです。銘柄全体を見渡すと、似た業種の銘柄が多く掲載されています。たとえば、下記のような「建設業」関連の銘柄です。<1963>日揮ホールディングス【勝率:40.91%】
<1803>清水建設【勝率:43.48%】
<1928>積水ハウス【勝率:43.48%】
建設業界は年度末に公共事業や官公庁関連の工事が集中しますが、一方で11月を含む秋から冬にかけては、売上が下がる傾向にあるといわれます。これにより、11月は建設業関連の株は売られやすい可能性があり、株価が下がる傾向が見られたのだと考えられます。
日経平均採用銘柄(225銘柄)は、11月相場では上がりやすい傾向があるものの、表の銘柄をトレードするのは、11月相場では要注意といえるでしょう。
どの業種の個別銘柄も、株価が上がりやすい月と下がりやすい月があります。今回のような簡単な検証は、11月の投資戦略を考える上での有効な判断材料の1つになるでしょう。
11月は株式市場全体が株価の乱高下がしやすい傾向にありますから、過去の勝率が低い銘柄よりは、成績が良好な銘柄をトレードした方が、よりリスクを抑えられるでしょう。
これらの数字はあくまでも過去の検証結果ですので、これから先の未来でも同様の結果になる保証はありません。しかしながら、統計的な背景がある数字は、カンよりもはるかに信ぴょう性が高いものです。皆さんも投資する際には一度検証してみてくださいね。
【期間限定】過去の11月、12月の株価の傾向がわかる限定ガイドブックを無料でプレゼント中!こちらをクリック!
(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社及び関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします)