人間関係

「女性というより母」「絶対的存在」って…。離婚した元妻に甘え続けたい元夫の呆れた言い分(2ページ目)

しっかり者の妻というものは、おおよそ夫にとって妻でもあり母親的存在でもあると思われていることも多い。離婚後も、母親のように慕われてなにかと元夫の面倒をみてしまう妻、そしてなにかと母親のように頼りにしてしまう元夫が世にはいるものである。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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元妻は恋人以上の関係

「僕も元妻とは仲がいいんです。『あなたは私に甘えてばかりいる』と言われるけど、なんというのか、元妻って恋人よりずっと近い存在だし、本当に僕のことをわかってくれている気がするんです」

そんな“お気楽発言”をするのは、ユウイチロウさん(39歳)だ。10年前に結婚したが、彼の「わがまま」で3年前に離婚。7歳になる息子は元妻と暮らしているが、週末、彼は必ず息子と過ごす時間を作っている。

「離婚したのは結婚生活が息苦しくなってしまったから。本当に僕のわがままです。結婚していると、衣食住すべてが妻の支配下にあるような気がして、だんだんひとりになりたくなっていった。でも帰らない自由はない。だから離婚を申し出たんです」

妻は「さっぱりわからない。家族と離れたいということ?」と尋ねてきた。ずっと離れたいわけではない、自由がほしいんだと最後はゴリ押しで別れたという。

「ひとりになってみると、あっという間に自由より寂しさが上回りました。だからといって結婚している状態に戻りたいわけではない。妻から出された離婚の条件としては、息子には会ってもいいけど自分は会いたくないというのがあったんです。でも息子に会うときは3人で一緒に会いたいと連絡しました。妻は渋々、息子とともに会ってくれた。それを繰り返しているうちに、妻に『ネクタイを見立ててほしい』とか『会社で結婚する後輩がいるんだけど何を贈ったらいいか』とか、いろいろ相談するようになったんです」

もともとしっかり者の元妻は、さまざなことを相談するには恰好の相手だった。ときには職場の人間関係についても相談に乗ってもらった。風邪をこじらせて寝込んだときも、元妻に「お願いだよ、助けて」と連絡した。

「来てくれると信じていたら、来てくれた。僕は今も彼女を『ママ』と呼んでしまうんです。彼女は嫌がるけど、やっぱり僕にとっては母にも似た絶対的な存在なんですよね。だからこそ結婚していると息苦しい、でも離れると身をもぎとられるように苦しい。元妻も甘えるなと言いながら、僕の頼みは断らない。離婚しても適切な距離を保てないのですが、これからも僕にとっては唯一無二の存在なんだろうなと感じています」

女性というより「母」のような絶対的な人

彼女をひとりの女性として見ているわけではなく、「母」に象徴される絶対的存在と感じているのだから、現実の結婚生活はうまくはいかなくて当然だろう。今後、元妻に恋愛相手ができたらどうするのだろう。

「それでも僕と元妻の関係は変わらないと思う。あまり会えなくなっても、僕にとって一番存在感の大きな人であることに違いはない。ただ、できれば彼女にはずっと独身でいてほしいです。それもまた身勝手な意見だとわかってはいるんですが」

別れた妻に甘えまくるユウイチロウさんを、元妻は本音ではどう思っているのだろうか。
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