同居の母も手伝ってくれるというのに完璧主義の妻は頑張りすぎる
三世代同居で経済的にゆとりは得た
「僕の母親は父が亡くなってから、ずっと一軒家でひとり暮らし。気楽でいいと言っていましたが、2年前に軽い脳梗塞を患ってから少しだけ気弱になった。一方、僕らが当時住んでいた賃貸住宅では、ふたりの子を育てるには狭すぎると思っていた。そこで同居という話が持ち上がったんです」エイタさん(41歳)と同い年の妻・マミさんとの間には、8歳と5歳の子がいる。夫婦で話し合った結果、昨年、長女が小学校に上がるのを機に母との同居を始めた。1階がリビングと母の部屋、1階をエイタさん一家が使っている。2階にはかつて増築したときにトイレを作ったのだが、風呂は1階にしかない。キッチンもひとつしかないから、必然的に食事も一緒にとることになった。
「家賃がいらなくなったのは大きいですね。娘が習いたがっていたエレクトーンも習わせてやれる。家の固定資産税などは、今まで通り母が払う、代わりに光熱費は僕らが、そして食費や生活費は母が今までかかっていた自分の分を概算して払う。そういう取り決めになりました」
エイタさんとマミさんが仕事で遅くなるときは、母が下の子を保育園に迎えに行ってくれるし、おかずも一品くらい作ってくれるのが日常となった。
「洗濯は母が別にしたいというので別にしています。母もまだ60代ですし、元気だから子どもに合わせた食事でもまったくかまわない。むしろ、『夕飯、私が全部やってもいいわよ』と言っているくらい。だけどマミがそれを嫌がるんです」
自分で完璧にやりたい妻
マミさんはまじめで頑張り屋。何もかも完璧にやらないと気が済まないタイプだ。同居したら、少しは母に甘えればいいとエイタさんは言ったのだが、マミさんは「そうね」と言いながらも以前より家事育児を完璧にしようと頑張っている。「経済的にも時間的にも、以前より少しは余裕ができたのだから、ゆったりする時間も作ろうと声をかけていたんですが……」
母とエイタさんで食後の片付けをするから、マミさんには休んでいてもらおうとすることもある。だがマミさんは、急に床掃除などを始めるのだという。
「時間をもらったから、いつでもできないことをしておきたいとマミは言うんですが、そんなに無理することはないんですよね」
エイタさんはそう言う。案の定、この春、マミさんが倒れた。
>頑張りすぎて入院するのは無意味