Q. 寒いとトイレが近くなるのはなぜですか?
寒いとトイレに行きたくなる回数が増えるのはなぜ?
Q. 「毎年、冬になると頻尿ぎみになります。夏のように汗をかかない分、トイレに行って水分を出しているのかなと思っていましたが、夏に比べて水分補給をしていないのに、トイレに行く回数ばかり増えるのは不思議です。なぜなのでしょうか?」
A. 寒さで皮膚の血管が収縮し、余った血液が尿を作る腎臓などに回るからです。
「寒くて体が冷えると、トイレに行きたくなる」ということは、多くの方に経験があることだと思います。私たち人間は恒温動物で、体温をどの季節も一定に保つことで、体の機能を維持しています。周りが寒いときには、体温が下がらないように、つまり体内の熱を外に逃がさないような仕組みが働きます。その一つが「皮膚表面の血管を収縮させる」ことです。暑い日に屋外にいると、暑さで顔が赤くなりますね。暑いときは皮膚の血管が拡張して、皮膚へと流れる血液量が増え、その色を反映して肌が赤みを帯びるからです。これとは逆に、寒い日は、外気に触れて冷たくなった皮膚の色が白くなりますね。血管が収縮することで血が流れにくくなり、表面から見える赤みが消えるためです。
一方で、心臓が収縮して送り出される血液量はどの季節も同じです。血液は全身へと送り出されますが、寒いときに皮膚の血管が収縮していると、皮膚に流れていく量は減ります。そして余った血液は、主に内臓に回るようになります。つまり、腎臓の血流量も自ずと増え、その分、尿の生成量が増えて、トイレが近くなるというわけです。
「腎臓の血流量が増えることで、尿量が増える」という点で、コーヒーを飲むとトイレが近くなるのと同じです。コーヒーを飲んだときと、寒いときにトイレに行きたくなる理由が同じというのは、少し意外な面白さがありますね。
■関連記事
- Q. コーヒーを飲むとトイレが近くなるのですが、なぜでしょうか?(All About 食生活・栄養知識)