視野が広がっていく友人関係もあれば、二度と会いたくない友人もいる
“昔は”いい人だった夫の友人
結婚して16年。夫婦ともに友人が多く、相手の友人との交流も好きだというマユミさん(46歳)。中学生のひとり娘も、親の友人たちをよく知っている。「夫も私もみんなでわいわいと語り合うのが好きなんです。といっても家は狭いので、大勢で集まることはできない。特にコロナ禍の3年間は、なかなか友人たちとも会えず、せいぜい他の夫婦を1組か2組呼ぶのが精一杯でした。それでも誰にも会わずに過ごすことはできなかった」
あの頃はしょっちゅうコロナの検査をしていたっけとマユミさんは笑う。仲良し夫婦を呼んだときは、ときに独身時代の恋愛話や男女論もしていたそうだ。
「うちは結婚前の恋愛も全部、お互いにさらし合っているし、恋愛観もわかりあっているつもりだった。でも他の夫婦を交えて話すと、また夫の新たな面がわかったりもするんですよ。それがおもしろくて」
結婚前、夫は人妻と付き合っていたことがあるとマユミさんは聞いていた。ところが今は「人妻と付き合うなんて考えたこともない」と否定的だ。独身時代は付き合っていたじゃないと混ぜ返すと「若気の至りだった」と恥ずかしがった。
夫婦の新鮮さを保つための“刺激”
「自分が結婚したということは、妻だって人妻。もし自分の妻が浮気したらと考えると、胸が締めつけられるようにつらい。オレに不満があったのか、魅力がないのかと考えてしまうと夫は言うんです。友人の夫も、わかるわかるって。私たち、いい男がいたらそっちに行っちゃうかもしれないよねと私は友人と盛り上がって……。友人夫婦が帰ったあと、夫は少し不安そうに『さっきの発言、ほんと?』って。本当なわけないじゃない、なんて言うことで夫婦の新鮮さが保てるわけ(笑)」言い換えれば、他からの刺激がないと夫婦の新鮮さは保てないということなのだが、マユミさんはそれを踏まえた上で、自分たち夫婦の刺激のためだけではなく、視野を広げるためにも積極的に他者と関わり合っている。
「友だちは多いほうがいい。ずっとそう思ってきたんです。でも相手は選ばないといけない。最近、そうも思うようになりました」
>夫の学生時代の友人の一人を出入り禁止に