「結婚するなら愛か金か」本当に必要なのはどっち?
独身者にとっては「未来」、既婚にとっては「現実」そのもの
結婚生活に必要なのは愛か金か──率直にいえば「どちらも必要」です(笑)。ただ、どちらがより「なくてはならない」ものかと問えば、独身者のほうが「愛情」優勢で、既婚者になると「お金」のほうが優勢になるようです。どんな人も、結婚するまでは「お金がなくても愛さえあれば」と、愛する人との結婚生活を夢見ることでしょう。しかし実際に結婚してみて、愛だけでは難しいと知る女性は少なくありません。
お金がないだけで夫婦がギスギスしてしまうのは、結婚が「生活そのもの」だから。別々に生活し、時々デートする「非日常」な恋愛関係では問題にならなかった経済面も、一緒の財布で生活するようになれば話は別です。
夫婦の一方が無収入になれば生活は厳しくなるし、助け合うどころか一方的に頼るばかりになれば、負担する側は不満を感じるようになります。
金の切れ目は縁の切れ目。お金がなくても愛情があれば、手を取り合って生きていこうと思えるかもしれませんが、愛情がなくなればアッサリ離婚してしまうこともあるでしょう。そういう意味では「愛のほうが大事」といえるかもしれません。
しかし現実はシビア。愛情がすっかり冷めてしまった夫婦も、経済面で安定さえしていれば、そう簡単には別れません。これが夫婦関係の面白いところです。
結婚生活において、恋愛感情はマストではありません。「家族」として成立している夫婦にとってはむしろ、愛情よりお金のほうが数倍大事──それは既婚者だからこそ実感している「現実」なのです。
金の切れ目が縁の切れ目……足りないのはお金だけ?
筆者は既婚者ですが、独身の頃から「愛でごはんは食べられない」主義だったため、冒頭の質問には即答で「お金」と答えます。ロマンのかけらもありませんね(笑)。しかしそれが“恋愛”ならば「愛情」と答えます。当然ながら、自由恋愛において責任は生じません。もちろん相手の男性がリッチであればいい思いもできますが、経済力は「好きになる理由」ではないので、相手が無職になろうと「縁の切れ目」とは考えません。でも愛情がなくなれば、どれだけ高価なプレゼントを貢がれようと、お別れ一択です。
お金持ちであれば愛がなくても結婚できるのかといえば、答えはNO。そういう意味では「結婚を決める段階」までは愛情への比率が高いといえます。
お金で唯一買えないものが愛情だと筆者は考えます。逆にいえば、愛情以外の多くは「お金で解決できる」もの。例えば夫婦とも多忙なら、家事をアウトソーシングしたりベビーシッターを雇うなどの解決法があります。心や時間の余裕を生み出すのも経済力次第。お金があれば結婚生活のQOLも上がり、快適に暮らせるでしょう。
逆に、夫婦の一方が病気で働けなくなったり、事業が失敗して多額の借金を抱えることになるなど「経済的に苦しい」状態になったとしても、あらゆる面で支え合い助け合うのが夫婦です。いくら「愛より金」主義だとしても、お金がないくらいで簡単に離婚はしないもの。「金の切れ目が縁の切れ目」と考える人は、お金だけでなく愛情もないのです。
「幸福」は愛の先にあり、お金の有無は関係ない
長い結婚生活において、順風満帆な時期もあれば、苦労する時期もあるでしょう。恋人同士のような愛情は、夫婦になることで少しずつ変化していきますが、その分、簡単には別れないほどの強固な結びつきも生まれています。経済力は生活の要ですが、お金が有り余るほどあっても、必ずしも幸せとは限りません。幸福感は、何気ない日常の中で感じられるものであり、そこにお金があるかどうかは関係ないのです。
愛し合う夫婦が豊かな結婚生活を送れている中、何気ない日常に幸せを感じられる──それが理想の結婚生活です。そこにお金はないよりあったほうがいいけど、愛情も、なければ成立しないのではないでしょうか。