貯蓄

「老後の心配」は貯蓄次第で変わる?一人暮らしの場合は?【2023年最新版】

20~30代の方から「老後が心配」という声が聞かれます。また、40~50代も、老後への不安がある方が多いかもしれません。では、現在の貯蓄額に応じて、老後の心配の度合いは異なるものなのでしょうか。今回は一人暮らしの方に絞って、貯蓄の多い場合、少ない場合について、最新データで比較してみます。【2023年更新】

西山 美紀

執筆者:西山 美紀

貯蓄ガイド

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「一人暮らし」の老後の心配度合いは?

「老後の心配」は、貯蓄が多いかどうかによって、変わるものでしょうか。

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]」(2022年)の「老後の生活についての考え方」のデータより、老後の心配がどれくらい違うかについて比較していきます。

ぜひ、自分の貯蓄額とあわせて、チェックしてみてください。

※当記事の「貯蓄」とは、「金融資産」全体のことをさします。また、例えば翌月のカード引き落とし代など、日常的に使うために一時的に貯めているお金ではなく、将来のために備えている貯蓄や運用のためのお金をここでは「貯蓄」とします。
老後の心配は、現役時代の貯蓄次第で変わりそう!

老後の心配は、現役時代の貯蓄次第で変わりそう!
 

貯蓄が増えるにつれて、老後の心配度が減っている!

「老後の生活(高齢者は今後の生活)」において、「それほど心配していない」「心配である(多少心配・非常に心配)」という、心配の度合いについての調査結果を、貯蓄別に抜粋します。

●貯蓄100万円未満
それほど心配していない……11.3%
心配である……88.7%
(内訳)
→多少心配……34.9%
→非常に心配……53.7%★

●貯蓄500万~700万円未満
それほど心配していない……17.2%
心配である……82.8%
(内訳)
→多少心配……41.0%
→非常に心配……41.8%★

●貯蓄1000万~1500万円未満
それほど心配していない……18.3%
心配である……81.7%
(内訳)
→多少心配……47.5%
→非常に心配……34.2%★

●貯蓄2000万~3000万円未満
それほど心配していない……37.6%
心配である……62.4%
(内訳)
→多少心配……38.5%
→非常に心配……23.9%★

●貯蓄3000万円以上
それほど心配していない……60.5%
心配である……39.5%
(内訳)
→多少心配……30.0%
→非常に心配……9.5%★

一番上の「それほど心配していない」と答えた人は、貯蓄が100万円未満から増えるにつれて、「11.3%→17.2%→18.3%→37.6%→60.5%」と、増えていることがわかります。

一方で、上記の★印の「非常に心配」と答えた人は、貯蓄が増えるにつれて「53.7%→41.8%→34.2%→23.9%→9.5%」と、どんどん減っていることがわかります。

「老後の心配度」は、貯蓄額が多ければ多いほど減り、貯蓄額が少なければ少ないほど増えるという具合に、貯蓄と反比例していることがわかります。

ちなみに、1年前のデータでは「それほど心配していない」と答えた人は、貯蓄が100万円未満から「13.1%→17.1%→27.0%→43.2%→65.1%」でした。

この1年前に比べると、今回は「それほど心配していない人」が全体的に減っています。コロナが落ち着き始め、旅行やレジャー、外食などのイベントごとの支出が増えていることや、物価高などにより、不安感が増しているのではと推察されます。

先行き不透明感が増している時代だからこそ、備えをしっかりしておきたいですね。
 

「一人暮らし」で将来かかるお金をイメージ

一人暮らしで老後を迎える方は、家族と一緒に住んでいるケースに比べて、お金を使う場面が増えることを念頭に置きましょう。

特に「住まい」については要注意です。人は必ず、どこかに住むことになりますが、一人暮らしなら、住まいの費用を自分で準備しなくてはなりません。賃貸なら家賃が一生かかりますし、持ち家でも固定資産税や修繕費などが必要です。

その他、入院して手術をしたり、介護を受けたりする場合は、遠方に住む家族か友人に頼むか、サービスを利用することになります。その際の費用も、元気なときには気づきにくいお金です。一人暮らしの場合は、より多めの貯蓄があると安心です。

さらに、受け取る年金が、一人の場合は夫婦などの二人暮らしに比べると少ないので要注意です。共働き家庭と比べて、世帯収入が半分というケースもあるでしょう。でも、家賃や水道光熱費など、生活にかかるお金は、二人暮らしの完全に半分にはなりません。老後の生活費は、やはり多めに考えておく必要あり!です。

そこでポイントは、今のうちから生活コストをできるだけタイトにしておくこと。スリムな家計なら、収入が減っても安心ですし、自由に使えるお金が増えて貯蓄もできて、「ここぞ!」というときに欲しいものを手に入れられるようになり、“今”の楽しみも増えます。

さらに、老後にも副収入を得られると理想的です。老後に月1万円、3万円、5万円など、少しでも収入が得られれば、老後のゆとりが生まれ、生きがいにもつながるでしょう。現役時代の今から、長く続けられそうな副業にトライしてみるのもおすすめです(※)。

“今”と“老後”の両方を見据えて、お金を上手に配分していきたいですね。

※会社員の場合は、就業規則に従って検討してください。
 
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