今回は、家事アドバイザーの筆者がSNSでよく見かけるキッチンまわりの「NG家事」をご紹介します。
シンクの排水溝掃除に塩素系錠剤×クエン酸スプレーはNG
少しでも掃除を怠るとヌメリ汚れが張り付いてしまう排水溝に塩素系の錠剤を入れておくと、掃除の頻度を減らすことができて便利です。しかし、そこに追加でシンクや蛇口の白いカルキ汚れを落とすためのクエン酸を使うのは危険。塩素系のものと酸性のものが混ざると有毒なガスが発生するからです。
塩素系の錠剤もクエン酸スプレーも、それぞれ別に使えば効果的に汚れを落とすことができるので、どちらかを使ったら、排水溝の中に残らないくらい水でよく流し、もう一方を使うようにしましょう。
コンロまわりにリメイクシートを張るのはNG
近年、簡単に貼れて、剥がすことができるリメイクシートが普及し、DIYで部屋のイメージチェンジができるようになっています。SNSでよく見かけるのが、コンロ横の壁にリメイクシートを貼って、汚れたら取り替えるといったものですが、これはNGです。建物はその素材や場所によって使って良いものが定められているのです。
このことについて、All Aboutのリフォームガイド Yuuさんに詳しく教えていただきました。
直火を使うコンロまわりは燃えない材料を使うように建築基準法や消防法で規定されています。「熱に強い」と書かれていても、不燃材料と呼ばれる、法律で定める技術的基準を満たしていない材料を貼るのは危険です。IHでもコンロまわりは不燃が基本。油が発火すれば燃え移る危険もあります。燃えやすいシートは貼らないようにしましょう。
冷蔵庫をラップで覆うのはNG
冷蔵庫の掃除をラクにするために、冷蔵庫の外側をラップで覆っている投稿もSNSで度々見かけますが、これもNGです。冷蔵庫は放熱のために、周囲を5~10センチ程度は開けて置くことが基本とされています。放熱を妨げるものがあると、無駄に電力を消費してしまい、電気代が上がります。放熱ができないと、事故が起こる危険性も出てくるので、ラップに限らず冷蔵庫を何かで覆うことはやめましょう。
もやしを水に浸けて保存期間を長くするのはNG
危険を伴うものではありませんが、避けたほうが良いのが、もやしを長期保存するために毎日水を取り替えながら浸けておくというやり方です。もやしに含まれているビタミンCは水溶性のものなので、水に浸しておくとそのビタミンCが失われてしまいます。もともとあまり栄養価が高いものではないので、せめてビタミンCが流れないようにしましょう。
ほうれん草を電子レンジで加熱するのはNG
野菜の中には、下茹でする際に茹でるよりも電子レンジで加熱したほうが時短で省エネになるものもあります。しかし、ほうれん草を電子レンジで加熱するのはおすすめしません。ほうれん草に含まれている結石の原因にもなるシュウ酸は、茹でることによって減らすことができるからです。ほうれん草は電子レンジで加熱したり、生のままパスタの材料にするのは避けて、茹でてから使うようにしたほうが無難でしょう。
今回はSNSで最近よく見かけるキッチンまわりの「NG家事」をご紹介しました。ぜひ参考にしてみてください。