夫だけ行くことで合意したはずが?
納得いかないと言う夫に家計簿を突きつけて話しあった結果、今年は夫がひとりで行くことになった。子どもたちもホッとした様子だった。「とたんに義母から私の携帯に電話がかかってきて、『せめてあなたも一緒に来なさいよ。新盆なのよ』と泣かれました。新盆にどれだけの意味があるのかよくわからないのが本音ですが、そうとも言えないので『どうしても子どもたちがこちらにいなければいけないので』と言ったら、『上は小学校6年生でしょ、だったら2~3日留守番できるでしょう』って。子どもたちだけで3日も過ごさせるわけにはいきませんと怒鳴ってしまいました。もともと義母は私を好きではないとわかっていたけど、そこまで言うとは」
あとから夫に聞くと、今年は親戚たちも久々に海外旅行に行く家があったり、子どもを上京させて塾に通わせるため家族でしばらく東京に行く家があったりで、新盆に親戚が集まらないかもしれないと義母が心配しているのだという。
諦めきれない夫が繰り出した、ありえない提案
「夏はみんないろいろ予定がある。それでも帰省する人たちもいるだろうし、もともと親戚が多いんだからそれほど気に病むことはないはずなんですけどね。私、義父のことは好きだったんですよ。優しくていいおじいちゃんだった。誕生日にマフラーを送ったらすごく喜んでくれたこともあった。それに引き換え、義母は何を送ってもお礼ひとつ言わない人。義母を喜ばせるためにわざわざお金をかけて行く気にはなれません」そこまでは夫に言えなかったが、サホさんの本音はそこにあるようだ。だが夫はまだ諦めきれないようで「サホも、1日だけ日帰りで来ない?」と言っているとか。
「それこそお金がもったいない。夫もわが家の財政状況をわかっているくせに、私を連れていって母親にいい顔をしたいんでしょうね。今年は年末も帰省をやめたいんですが、また秋になってこんな攻防を繰り返さなければいけないと思うと、今から頭が痛いです」
義実家とのつきあい、そろそろ本気で見直さなければとサホさんは表情を引き締めた。