混雑、旅費、義実家での居心地の悪さ。お盆の帰省はなにかと頭が痛い
「家族みんなで行きたい」とごねる夫
「うちは1月に義父が亡くなったので、今年は新盆。毎年、夏とお正月は帰省していましたが、今年は義父のお葬式や四十九日にも行ったので、帰省費代がハンパじゃない。せめて夏はやめようと思っていました」そう言うのはサホさん(40歳)だ。長女は来年、私立中学を受ける予定で、夏休みも塾に通うため、少なくともサホさんは自宅にいようと決めていた。長男も地元サッカーチームでの練習を休みたくないという。ところが夫は「家族で行く」と子どものようにダダをこねた。
「『新盆だよ、せっかく親父が初めて家に戻ってくるのにいてあげなくてどうするんだよ』と、声を裏返して言うんです。生きているときは電話の一本もしなかったくせに、今になって妙に親への孝行を口にする。亡くなって初めて寂しさを感じているんでしょうね。その気持ちはわかるけど、今年に入ってすでに2度も行っているわけだし、4人で行ったらいくらかかると思ってるのと思わず言ってしまいました」
新幹線の交通費と10軒分のお土産と……
新幹線と在来線を乗り継いで3時間半はゆうにかかる夫の実家、しかも周りの親戚も含めて10軒近くにお土産を買っていかなければならない状況を思うと、サホさんは頭を抱えるしかない。「夫の勤める中堅企業ではベースアップもかなわず、ボーナスもアップなし。テレビのニュースでボーナスアップと騒いでいるのは大企業ばかりですからね。子どもたちは年々大きくなってさまざまな費用も高くなっているのに、それに見合うだけの給料はもらっていない。私だってパートで働いていますけど、例の扶養控除の壁で思い切り稼ぐことはできないから、結局、働く時間を調整するしかない」
サホさん、ついつい声が大きくなる。世の中の妻たちはみんなそう感じているだろう。
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