「さいきん、株式投資を始めました。株主優待が気になっています。できるだけ損をしたくないので、買うときのコツがあったら、教えてください」。
今回は、この質問にお答えします。
そもそも:株主優待とは?
本題へ移る前に。そもそも「株主優待」そのものが分からない方もいるでしょう。まずは、ここから説明します。株主優待とは、株主が投資先の会社から「優待品」を受け取れる制度のことです。たとえば、食料品メーカーや飲料品メーカーであれば「食料品ギフト詰め合わせ」「飲料品ギフト詰め合わせ」といった自社製品を受け取れることがあります。
ただし、株主優待は任意制度です。すべての会社が行っているわけではないので、受け取るためには、下調べが必要です。また、株主優待を受け取るためには、「◯株以上保有すること」「◯年以上保有すること」といった、条件が課される場合もあります。
よって、確実に株主優待を受け取りたい方は、投資先の優待制度をあらかじめ調べておく必要があります。
株主優待で泣く人vs笑う人
そろそろ本題へ移りましょう。株主優待で得するコツは3つあります。1つ目のコツは「優待制度が改悪されにくいタイミング」に買うことです。
先ほども書いたとおり、株主優待は任意の制度です。会社の方針が変われば廃止されることもあるので、「優待を受け取るために株を買ったのに、優待制度が廃止されて受け取れなくなる!」というリスクがあります。
たとえば経験上、優待制度の廃止や変更は、その会社の本決算のときであることが多いです。ですから、おおむね優待制度が固まった「本決算が出た後」に買うと、優待廃止のリスクなどを抑えられると期待できます。
ほかにも、足元で業績が悪化している会社も、優待制度が改悪される恐れがあります。ですので、足元で業績が悪い会社は避けることでも、優待廃止のリスクなどを抑えられると期待できます。
2つ目のコツは「高配当株を買うのと比べて魅力的か?」を考えることです。
「株主優待が欲しい!」という方も、別に「株主優待じゃなきゃだめだ!」「現金(配当)はいらない!」というワケではないでしょう。むしろ、株主優待よりも配当のほうがお得なら、そっちを受け取るべきです。
株主優待株を選ぶときの判断材料には「優待利回り」という考え方があります。株主優待をできるだけお得に受け取りたい方は、優待利回りが高い株を選ぶとよいでしょう。
たとえば、100株買うと2000円分のクオカードがもらえるA株があるとします。さらに、A株を買うと、1株あたり5円の配当金ももらえます。
A株を1株1000円で買った場合、「100株×1000円=10万円の投資」で「2000円のリターン(クオカード)」なので、優待利回りは「2000円÷10万円=2%」となります。
さらに、A株を持っていると、1株あたり5円の配当金も受け取れます。A株を100株買うと、500円のリターンです。株主優待と配当を両方あわせて「10万円あたり、2500円のリターン(クオカード2000円+配当金500円)」で、利回りは2.5%となります。
優待利回りが「お得かどうか?」は、まわりにもっとお買い得な投資先があるかどうかで決まります。たとえば、株主優待は受け取れないけれど、配当利回りが5%のB株がある場合、A株よりもB株を買って、受け取った配当金で株主優待に相当するものを買ったほうがお得です。
株主優待と配当金。受け取れるものを見比べて「もっともお得な投資先はどこか?」を考えて、投資先を決めるとよいでしょう。
3つ目のコツは「安いときに買う」ことです。
たとえ優待利回りが高くても、すでに大きく上がってしまった株を買うと、高値をつかんで株価が下がるリスクがあります。筆者の経験上、1カ月で何十パーセントも上がっている株は、すでに上がり過ぎているケースが多いです。
また、権利確定日直前も、株価が高くなっていることが多いです。優待株を買うときには、「株価が上がる前」を狙い、できれば「権利確定日1カ月半くらい前から先回りする」ようにすると、安く買いやすかったです。
まとめ
要点をまとめると、株主優待で得をするコツは(1)優待制度が改悪されにくいタイミングを狙うこと
(2)高配当株を買うのと比べて魅力的か?を考えること
(3)安いときに買うこと
の3点に集約できます。
この3点をチェックリスト代わりに使うだけでも、優待制度の改悪や、高値をつかむリスクを抑えられると期待できます。リスクを抑えながら、お得に株主優待を受け取りたい!という方は、ぜひお役立てください。
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